第11話 一ノ清永遠は読書感想文を書けない

 このエッセイを読んでいる方のなかには小・中学生がいる……か、いないかは分からないが世間的には読書感想文の錬成に苦しんでいる方がいるのではないだろうか?


読書の感想なんて一人一人心の中に秘めるものなんだからわざわざ書く必要なんて無いだろ、と思うのだが思った事を言語化する事は将来必要なスキルになるかもしれないのでその練習としては持ってこいだろう。


読書感想文の達人にもなると「はらぺこあおむし」だけで400文字詰め原稿用紙76枚くらい書けるようになるらしいぞ。ソースはTwitter。


ぶっちゃけ「はらぺこあおむし」の読書感想文で原稿用紙76枚を埋めてくる人間には近づきたくないけども


読書感想文には様々な制約がつけられたりするが、その際たるものは「漫画禁止」「ゲームの攻略本禁止」「図鑑禁止」「ラノベ禁止」etc……



ラノベ禁止……?



ラノベ禁止って、どこからどこまでがラノベなんだろうか? などという終わりなき戦いが始まりかねないのでそこはさておき……。


この読書感想文という宿題には多数の問題点がある。


まず、読書という本来能動的な行いを義務化する事による嫌悪感で深刻な読書離れを起こさせる事にある。


読書初心者はまず名作から入れば良いのよ!!


と、宮沢賢治だ太宰治だ谷崎潤一郎だ夏目漱石だと異様なまでに古臭いタイトルをオススメされてそれを無理矢理読まされたら「読書って名作と謳われる作品でこれなんだからつまらないものなんだ…」という感想以外持てるだろうか?


若人に人気とされる『山月記』だって教科書に掲載されているものを読んでも「ふーん……」くらいの感想しか持てなかった。


時代感にズレがあればその時代の前提知識が必要となってくるし、倫理観も常識も今を生きている時代とは大きく違うし文法だって今とは違うのだからその文章に感情移入などしようがないのだ。


取り敢えず適当なエブリスタ系青春小説を書店で買って読んで感想文を書いた方が早いんじゃないか、と私は思う。


ちなみに、読書感想文は不思議と小説が選ばれがちだがエッセイ・ノンフィクションや偉人伝なんかを選んでもいいらしい……知らなかった、そんなの……


読書の楽しみ方というのは、やっぱり物語に入り込む事だと私は思う。


ちなみに私はメディアミックスされまくった某セカチューを読んで「作者はこれを面白いと思って書いてるんか」(※個人の感想です)とキレた人間なので、ベストセラーが万人にウケるとは限らないのだ。


ドラマ版が面白かったので流れで買った「池袋ウエストゲートパーク」が思いの外サクサク読めたし何度か読み返したりしたが、私は原作者が嫌ゲフンゲフン

そんな感じでまあ、肌に合う小説っていうのはあるだろう。


web小説読者がやっているように、本屋であらすじを読んで面白そう!と思った作品を選ぶのが一番良い。

あらすじを読んだら面白そうだと思ったが肌に合わなかったら「こうなるのを期待していたのに、こうならなかったから残念」という旨を書いたら先生的にもポイントが高いだろう。


とまぁ、そんな感じで題材を選んだら後は実際に読んで感想文を書くわけだが……。


ぶっちゃけ、読書感想文を最後に書いたのが中学時代なので(高校時代は読書時間的なものがあったので本を読むことは続けていた)あんまりよく覚えていない。


その本を選んだ理由、その本の概要やあらすじをザックリ書いて


次は「ここ良かった!ここに驚いた!」と、自分が思った事を書いていく。


最後に「このジャンル読んだの初めてだけど、次は同じ作者のタイトルを読んでみたいなぁ」的な事を書いて〆ればOKらしい。


まあ、要約すると「自分が読んだ本を読んだことない人に紹介する」ための文章を書く、と考えると書きやすいかもしれない。


あらすじ・概要、自分の印象に残ったシーンや好きなセリフ、そして自分自身がどう思ったか。

その本を読んだことについて受けた影響。

今後同じ作者の本を読んでみたい・他にはこんな本を読んでみたい等の受けた影響。


読書感想文はそんな感じで書いていくと良いだろう。


ちなみに、本は1日あれば読み終えることが出来るので読書感想文のために読む本は1冊だけでなくとも良いだろう。


最終的に1冊に絞れば良いので、一番推したい本を選べば良い。



私も読書感想文を書け……? いいえ、私は遠慮しておきます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る