第3話
親友の身体がたった四袋に収まった。たった僕一人でやるには体力的に限界だ。
しかし虚無を浮かべている暇などない。今直ぐにでも捨てるか埋めるかしなければならないのだろう。
まずは腐りやすい内臓から埋めることにしようか。このアパートから比較的近い山に埋めるとしよう。
暗闇の中ライトを付けずに自転車で走る。やっと山の腹まで来ることが出来た。
5mくらいの深さの穴を掘る。勢い良く内臓の入ったゴミ袋を投げ捨て急いで穴を塞ぐと、人影が見えた。四人組の男女二人ずつだ。厳ついヤンキーと猫なで声のギャル、バレたら通報されるかもしれない。もしかしたら、弱みを握られ金づるにさせる。ストレスの吐き口にされるかしか、使い道のない僕。
木の影に隠れ通り過ぎるのを待つ。通って行ったのを確認し落ち着いて千鳥足で山を降り、自転車に勢いよく跨り駆け出す。一刻も早くこの場から逃げ出したかった。
息が上がり、足が重く、喉が詰まる。凄い嗚咽がする。
必死の思いでアパートに着いた。階段を駆け上がり自分の部屋に入る。
そして一息つく。
外が少しだけ明るんでいる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます