第49話 3本勝負! vsゴブリン

 続いて第2戦。パパレvsロリコンゴブリン、いよいよ始まる。


 脳内アナウンサー『第1戦は神界の仕事人パーティーの勝利に終わりましたが、この第2戦はどう見ますか?』


 脳内解説『パパレ選手の実力が圧倒的です。ロリコン選手がどこまでパパレ選手に迫れるかが見どころです』


「ゴブリンっ! ゴブリンっ! フン、フフーン♪」


 脳内アナウンサー『パパレ選手の鼻歌だ。鼻歌を歌っている。入場曲のつもりなのか。余裕の表情だ』


 脳内解説『パパレ選手、すっかり油断していますね。ロリコン選手はこの隙をつけるかが勝負の鍵になりそうです」


 レアスキル「雷鳴の乱撃!」


 パパレがいきなりレアスキルを発動し、ロリコンゴブリンを棍棒で殴打する。


 脳内アナウンサー『パパレ選手、開幕から爆音を響かせ稲妻を纏った棍棒で凄いラッシュだ。相手に何もさせない。秒殺だー! 神界の最終兵器、はたまたハイパーバトルサイボーグ?! パパレ選手の圧勝だーー!』


 脳内解説『いや、驚きましたね。ここまでパパレ選手が強いとは思いませんでした。スタミナが気になりますが、これから凄い選手になるかもしれません』



 ◇



 最終第3戦。シンヤvs多様化ゴブリンの戦いが今、始まる!


 脳内アナウンサー『神界の仕事人パーティーの2連勝で迎えた第3戦、この戦いはどうなりますか』


 脳内解説『ゴブリンパーティー、この戦いはチャンスですよ。多様化選手の方が一枚上手だと思います』


 俺は最初からスキルを発動する。


 ノーマルスキル「烈風斬!」


 脳内アナウンサー『さっそくシンヤ選手、得意の〈烈風斬〉を繰り出したぞ。多様化選手のダメージはどうだ?!』


 脳内解説『多様化選手、上手くガードしていますね。見切っているのかもしれません』


 多様化ゴブリンが俺に向かって突進してきた。俺は呆気なく押し倒された。


 脳内アナウンサー『シンヤ選手、多様化選手にマウントポジションを許してしまったぞ。これは大ピンチだ』


 脳内解説『シンヤ選手、もしかしたらルージュ選手とパパレ選手の連勝を見て油断していたのかもしれませんね』


 俺はすでにロリコンゴブリンを倒しているパパレを呼ぶ。


「パパレ! パパレ来てっ!!」


 俺の呼びかけに反応して、パパレが加勢し棍棒で多様化ゴブリンを殴りつける。


 脳内アナウンサー『おおっと。ここでシンヤ選手がパパレ選手を呼び込んだ。2対1で多様化選手を攻撃する。この戦いはタイマン勝負ではなかったようだ。これが勇者を目指す者の戦いなのか。それとも目指すは黒のカリスマか?!』


 脳内解説『まさかの幕切れでしたね。結果は神界の仕事人パーティーの3連勝。正々堂々とした戦いを見せたゴブリンパーティーに対して神界の仕事人パーティーは何でもありの無差別攻撃でしたね』


 俺たちは変態&ロリコン&多様化ゴブリンに雪辱を果たした。



 ◇



「ふぅ。ルージュちゃんにパパレ、お疲れさま。ゴブリン3匹、何とか倒したね。良い戦いだった」


「パパレは、まだまだ元気だよー」


「私はゴブリンの顔が怖くてビックリしちゃったよ。少し休憩したいな」


「俺も少し休憩したいかも。街に戻ってお茶にしようか」


「「さんせーい」」


「あ、そうだ。街に戻ったら帽子とマスクを外さないとね。神官さんに忠告されたし」


 しばしの休憩の後、再び森へ入り、ゴブリンをコツコツと狩り続けた。

 帽子とマスクの効果があったのかは不明だが、ゴブリンたちは大量に集まってくる事もなく順調な初日であった。



 ◇



 俺たちは、今日も森で元気にゴブリンを狩っていた。本日で3日目になる。


 今日のルージュちゃんはポニテバージョンだ。ノーマルバージョンもポニテバージョンもどちらも可愛い。

 そんなルージュちゃんは、ゴブリン人気ナンバー1だ。ゴブリン人気の8割がルージュちゃん、2割がパパレでたまに俺。

 ある意味でゴブリンたちは正常なのではないのだろうか。もしかしたら分かり合えるのかもしれない。


 そんなゴブリンたちを数匹狩っては街へ戻り、しばし休憩するという作業を繰り返していた。もう少しレベルアップするまでは安全にゴブリン討伐を進めようと思っている。


 休憩を終えて体力が満タンになった俺たちは、ゴブリンを探しながら森を歩いていた。

 すると。


『ギャイ、ギャッギャ、ギャッギャ』


『しつこいゴブリンめ! ドラゴン戦のダメージがなければゴブリンなどっ』


 森の奥の方から声が聞こえる。ゴブリンと戦っている人たちがいるようだ。しかも苦戦していそうな雰囲気だ。


「ルージュちゃん、パパレ。助けに行くよ」


 ここで見捨てるわけにはいかない。俺たちは救援に向かう事にした。






〜あとがき〜

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