空「シュレディンガーの」

空「家の近くのスーパー……スーパーなのかなあれ。でかめのイトーヨーカドーみたいなのがあって」

あ「つまり田舎ですね」

空「でかめのイトーヨーカドーがあるからって田舎扱いすると痛い目見るわよ……てか、エリアとしてはこことそう変わらないから」

あ「うちの映画館があるところが都会なんです」

空「傲慢。話を戻すけど、なんか、いけない5階があるの」

あ「ヤンキーの住処的な?」

空「いや物理で。まじでルートがわからない。私は2階までしか行ったことがない」

あ「何があるんですか?」

空「おそらくボウリング場と映画館」

あ「ヤンキーの巣窟じゃないですか」

空「やってるかわからないの。ネットにもないの。でも、1、2階の店舗には映画半券でサービスとか書いてるの。上からずっとボールが運ばれる音がしてるの」

あ「怪談の話してます?」

空「だからその階段がなくて」

あ「ややこしいですね」

空「でも、そういう映画館だからこそ、そそられない? 秘密基地みたいで……なに、その目」

あ「べ〜つ〜に〜、ですよ。行ってみたらいいじゃないですか。私を、置いて!」

空「比較してはじめてわかる大切さもあると思うの」

あ「浮気の常套句ですからね、それ」

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