第6話覚醒(2)
《力が欲しいか?》
暗い闇の中に居る俺に誰かの声が聞こえる。俺は死んだのではないか?
《力が欲しいか? 誰にも屈さない力が》
「誰なんだ? 俺は死んだんじゃないのか?」
《そなたは死んだ。だが、この力を受け取ればそなたは生き返れる》
悪魔のような囁きを受けた俺は考える。生き返ったとしても力がなければ意味がない。だがこいつは俺に力を与えようとしてくれている。まずはその力を聞こう。
「力ってなんだ? そんなにあんたは強いのか?」
《力とは私の生前の全て。魔法、スキル、全てをそなたに与える》
「それをするとあんたにはどんなメリットがあるんだ?」
《私は晴れて成仏することができる。もう何年もこの場所でさまよい続けてきた。それにそなたは私の後継者に相応しい器だとそなたが転生して来た時から感じで居た。あの時は私の介入が阻まれてしまいそなたに力を与え損ねてしまったのだ。だからこうしてそなたが死んでくれたおかげで私はそなたに力を授けられる。どうか受け取ってくれないだろうか?》
こいつは信用できない。だが利害は一致している。俺も生き返り力が手に入る。こいつは成仏できると。今はこの利害関係だけで充分だろう。
「最後に確認だ。その力はどう使おうが構わないんだな?」
《無論だ。この世界を破滅させようと何をしようとそなたの自由だ》
「よし、わかった。その力受け取るぜ」
これで、あいつらに復讐ができる。必ずここを抜け出してあいつらを探し出す。千歳以外は全員殺してやる。
《では、力を授けたぞ。後はそなたの好きなように……》
暗闇の意識が急激に白一色で染まり、俺は覚醒した。周囲を見渡すとそこは変わらず地下迷宮の中に居るようだった。噛み千切られていたはずの体は傷一つなく、自然と体の底から力が漲るような感覚がある。
それ以外特段変化を感じることは無かった。そうだ、まずはステータスの確認をしないと。そう思い、自身の右端に視線を集中させた。
烏丸海斗職業・闇の執行者(カオスネビュラー)スキル転移、魔力操作、魔力探知、魔王覇気、超回復、時空支配、飛空、闇移動。
これはかなりぶっ飛んでいるのではないか? 強すぎるだろ! そうだ、レベルの確認もしなければ。だが俺のステータス画面にはどこにもレベルが記されていなかった。その変わりパラメーターが異常なことになっていた。今現在俺のパラメーターはほぼ零になっていた。は? どういうことだよ。むしろ弱くなってるじゃんか! 怒りが爆発しそうなところで動きが止まった。パラメーター画面の右端の方に見たことのない項目がそこにはあったのだ。パラメーターポイント割り振りと書かれているその画面に意識を集中させるとパラメーターポイント所持千ポイントと書かれている。何だこれは? 使い方のよくわからないまま取り敢えず均等に全てを割り振った。まさか、これは俺自身がパラメーターを操作できるということか⁉ ということは俺はこれから先レベルの代わりにこのパラメーターポイントを受け取りどんどん強くなれるということか。
まずはこの場所で修業を積もう。そこでスキルの使い方や魔法の使い方をマスターして外の世界を目指そう。目標はクラスメイトの殲滅だ。
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