主人公気取りのパイロットフィッシュ

まるみ

プロローグ

水槽立ち上げの際、微生物を増やす為に丈夫な魚を入れる事がある…その魚として選ばれた魚たちは「パイロットフィッシュ」と呼ばれている。




とある夫婦が話し合い、金魚を飼う事になった。

妻は出目金が良いと言った為、夫は出目金を飼う事にした。

元々、この夫婦は夫が魚を飼いたいと、メダカやピンポンパールという金魚、ベタのオス一匹など、魚を飼ってきた。

今でも魚は飼っていて、何種類かの魚が生息している。

ヤマトヌマエビやミナミヌマエビなど、小さなエビを飼っていた事もある。

エビはお掃除部隊として導入したが、その他お掃除部隊として、石巻貝なども生息している。

メダカは針子や稚魚の育成をしたり、ミナミヌマエビは自然と増えたが、それまでには、飼い方が悪かったのか、直ぐに死んでしまったり、水槽関連の知識が浅く、失敗もしたのだ。

しかし、失敗した事を反省し、夫は水槽関連の知識を身に着けた。

今現在、魚がちゃんと飼えているのは、その情報や知識を蓄えたからである。

もちろん、それでも生き物を飼っている時点で、生き物自体の生命力により直ぐに死んでしまう個体もいるのだが、夫婦は水槽のある生活を楽しんでいる。




とある日、夫婦が住む家に新しく水槽が立ち上げられ、その水槽にパイロットフィッシュが導入されたのが、事の始まりである。

水合わせを行われたパイロットフィッシュ達は、水槽内を泳ぎ始め、新しい住処に縄張り争いする奴まで現れたが、パイロットフィッシュである以上、夫婦はそのまま見守る事にしたようだ。

パイロットフィッシュに選ばれた魚は、ゴールデンアカヒレ三匹と、アカヒレ三匹の計六匹である。

名前…という訳ではないが、その六匹は妻により、一号から六号と名付けられたのだった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る