第7話 エルバラン魔法学校入学試験


 準備万端と言える状態で試験に臨む。こんなことは前世ではなかったことだ。やれることは全てやった。あとは諦めず頑張るのみ。試験は気合だ!


 そしてエルバラン魔法学校の入学試験が始まった。


 筆記試験と実技試験があり重要視されるのは実技試験だった。極端な話、筆記試験が0点でも実技試験が100点なら受かるという話もあると聞いた。そこから考えると単純に筆記試験と実技試験の合計が、100点以上なら合格ラインということだろう。


 でもその年の問題の難易度と平均点と入学希望者の実力もあると思うんだよね。学校に生徒がいないと魔法学校の経営も危うくなるだろうからなぁ。


 希望者の人数が少なければ多少成績が悪くても受かってしまうんだろうけども。 残念ながらここは由緒正しきエルバラン魔法学校。入学希望者はめちゃくちゃ多い。


 シャルリエーテ様みたいな貴族様も受験に来るくらいだからね。母さんに迷惑かけたくないし負担もできる限り少なくしたい。そこで奨学生を目指していこうと考えた。倍率は高いし魔滅の御印のせいで審査は不利かなぁとは思うけどそこはやるしかない。


 前世では全然、資格試験に受からなかったけど魔法やその歴史はファンタジーの物語みたいで面白かった。前世の資格試験に落ちまくって、引くに引けなくて受け続けた興味のない試験内容に比べたら興味があることばかりだ。


 魔法の問題も火と水の魔法を同時に使うとどうなるかみたいな問題は、実際に使ってみればすぐ結果が分かったという点も大きい。本を読んで魔法を使って、また読んで使っての繰り返しがまったく苦にならなかった。


 最初の頃はなんで効果の範囲とかが書いてないんだろう? って不満に思ってたんだけど、魔法を使い込んで魔法書を読み込んでいくうちに分かった。魔力量の込め方や魔力操作のイメージ等の術者の実力で変わるのだ。初級魔法であろうと熟練者と初心者ではまったく違ったものになる可能性がある。


 例えば土魔法の初級魔法は砂が出るって書いてあったけど、イメージを工夫したり魔力の込め方で土を発生させることができるようになる。さらに慣れていくと飛ばせる。


 中級魔法みたいなことができてしまうのだ。けれども消費する魔力量は中級魔法より圧倒的に少なくて済む、なんてことが起きるのだ。それを発見した時に、これだけ結果が変わるんじゃ書きたくても書けないよなぁって思った。それと同時にこういう発見は純粋に好奇心を刺激された。


 ここの魔力の込め方を多くしたら? とか魔力の込め方のタイミングを遅くしたら? とか逆に早くしたら? とかね。疑問がでてきたら使えばいいんだと気づいてからは魔法を使いまくった。


 魔力切れで荒野で気絶してたこともあったけど周りに人がいないところでしないと危ないから仕方ない。そんなことをしているうちに魔法は強化され気づけば魔力量の底はみえなくなっていた。

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