外れスキル「メアリー・スー」がチート覚醒したので、勇者パーティーを抜けます~え? 今さら持ち上げ始めてももう遅い。俺は女神たちとハーレム繧剃ス懊j縺セ縺呻ス

中華鍋

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「お前、使えないからクビ」


 宿屋の一室、ジーンから唐突に宣告された。一体どうして、とかそんな事を考える前に、ジーンは大きくため息をついて口を開く。

「まず、報酬以上の働きをしていない。荷物持ち(ポーター)なのに、その荷物を忘れるなんてありえないだろ」

「だ、だけど、背負える荷物にも限度が」

「お前がやるって言ったんだろ!」

「言ってない!」

 もう何度目かのやり取りかもわからない、やるやらないの合戦。無論アリーは無理だと最初から告げていたが、リーダーのジーンの前ではそんな言葉も無力なのだろう。お荷物だと散々罵られて扱いも酷かったが、とうとう理不尽にもクビだと言われてしまった。


「だから、お荷物はいらねえ。さっさと俺たちのパーティーから出て行ってくれ」

「……後悔してもしらないよ」

 その言葉を言った途端に、周囲がげらげらと笑う。中にはアリーの声真似をして茶化す者もいた。羞恥で頬に熱が刺し、脳が沸騰するが、投げつけられた金を手にし、アリーは宿屋を後にする。


 だが、これからどうすればいいのだろうか……


 と、外に出た途端に、今までの内容を聞いていたのか、愛らしい女の子が声をかけてきたではないか。


「大丈夫?」


 鈴を転がすような声。胸は大きくウェストはくびれている。まさに絶世の美女といったところで、アリーは驚いて飛びのいてしまった。


「あ……だ、大丈夫です」


 声が裏返り、赤面したままだが彼女は優しく微笑んで、アリーの手を握る。柔らかくすべすべした手は、アリーの荒れた手と大きく異なっていた。

「宿屋の外からも聞こえてたよ、パーティーをクビになっちゃったんだってね」

「あ、そう……なんです」

「まったく酷いなぁ、君のスキルすごく役に立つのに」

「え?」

 その言葉にアリーは驚く。何せ、スキル診断をしてもらった際は名称だけで効果が分からず、ゴミ扱いされていたのだ。だから目の前の少女が言った事に首を傾げると、彼女はくすくすと笑ってアリーを抱きしめた。

「私、エノビー!

 アリー君みたいな子を探していたの! 大好き!」

「ええええ!?」

 急な告白に驚き、思わず彼女から離れるが、エノビーは笑うだけ。彼女はアリーの手を引いて、宿屋から離れると人気のない奥まった場所に彼を連れ込んだ、


「スキルを使ってみて」

「う、うん」

 言われるがまま、スキル発動! と叫ぶ。すると……


「わ、わわ……!」


 ごごご、と唐突にダンジョンの入り口が開いたではないか!


「どう、いうこと」

「このスキルはね、自分に幸運をもたらすの!

 ダンジョン攻略も、きっと役に立つわ!」

「まって、君の目的はなに!?」

「私はアリー君を助けるために生まれてきたんだもの!」


 そういうと、エノビーは再びアリーの手を引いてダンジョンへもぐりこむ。


 ダンジョンはアリーが知っているような構造だった。

 だが、行く先々の魔物は思っていた以上に弱く、アリーの手でも簡単に倒せるほど。だというのに、レベルがとんでもない速度であがるのだ。


 一時間もすれば、9999レベルになっていて、ステータスもすべてが見たことのない数値になっている。


「これなら、ボスも倒せるね!」

 とエノビーは言う。確かにとボスの前に立った。そこでスキルを再び発動させると――


 ボスは消し飛び、その中央には剣が突き刺さっていた。


 ダンジョンを攻略し終え、手にした剣を持つ。

「アリー君、次はどこに行こうか!」

 エノビーはアリーに提案をする。ダンジョンの攻略という目的は果たしたのだから次は……


「じゃあさ、世界を手に入れに行こうよ!

 この世界の創造神に勝てば、僕たちがすごく強くなるって事でしょ!?」

「うん、そうだね! それじゃあ行こうか!

 アリー君に任せておけば全部大丈夫だもんね! 強い神様なんて縺?■縺薙m縺?繧医?


「エノビー?」


 急にエノビーの声が聞こえなくなり、おかしくなる。やがて彼女の身体がくしゃくしゃっと紙みたいに丸まった。


「え、うそ……なんで!?」


 とっさにスキルを発動しようとしてもできない。メアリー・スーは何も起きないのだ。だから思い切り叫ぼうとし――


 あれ……なん、で……体が動


 か


 なく


 なっ




 て



 蜒輔?譛?蠑キ縺倥c縺ェ縺九▲縺溘?




 あーあ……。

 ダメじゃん、作者よりも強くなって変な事したら。

 主役もヒロインもいまいち受けが悪いし、ブックマークも評価も低いから、この物語はもうおしまいだな。


 ……よし、削除完了っと。


 家に帰って、次のスキルもの考えよう。

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