《詩》メトロポリス残渣録

ナノ機構に彩られた街路樹の僅影

夜のコーティングをサイバーグリッドが照覧

ジャイアントビルの蛇行がデータの僻渦を紡ぐ


賭窟とエデンズロッジ、アーケードに棲み続ける


カモフラージュの憧憬、メトロポリタンを淫猥に誘惑

ポストヒューマン的世界、ポストトラウマ的不安常在


ロスト・ジェネレーションは自由を射止め、

ソマティック媒体で神なる救済を探し求める


フォンタナ猛毒の濃霧の中

サイバースペース漂い、父母の匂いに酔いしれる


リアルとヴァーチャル・・・濁流の如く交錯を・・・


混沌な命数の中でクラヴィングの渦に生命を洗え


電飾の街の無秩序な熱狂

「離散せし血族の亡霊・ 人間の生の根源」零れ去る


メタフィジックスは遥か拒絶され、

唯一の救いは分子の霊障


グノーシスの跫音永久に呼吸


ギロチン下のフリーソウル

絶望の誘染色に満ちる酔生夢死


果てしなく淪落し続けゆくと記す

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