第15話美夏ちゃんの身代(しんだい)
「goki君のお母さんもgoki君に情操教育を施したんじゃ。goki君が3歳のとき、本の読み聞かせをしたはずなんじゃ。goki君は一旦は忘れるけど、15歳で同じ本を読み返したとき、3歳の記憶が鮮明に蘇るんじゃ。お母さんはgoki君が自発的に読み返すのを辛抱強く待ったんじゃ。goki君の身近な所にその本があったはずじゃ」
「あった!そう言えば本棚の片隅にいつも同じ本が。「絵のない絵本」「路傍の石」「オオカミ王ロボ」。あれがそうだったのか。大人になってもついに読み返さなかったけど」
「そうじゃ。お母さんはgoki君が自発的に読み返すのをずっと待っていたんじゃ」
「goki君の国語力がイマイチなのは情操教育を完遂しなかったから」
「六本木ヒルズに入居するときも銀行からお金を借りるときも、最終的には身代(しんだい)が担保になるんじゃ」
「どんな人間でも必ず持ってるものじゃ」
「これが、美夏ちゃんの身代(しんだい)?へその緒じゃないか!」
「お金には換えられないもの。でもお金より価値のあるものじゃ」
「そう言えば、ウチの母ちゃんも俺や姉のへその緒を後生大事に持っていたなあ」
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