第7話村田美夏の若かりし頃

「アタシ、一重だよー」

割と早い段階で美夏ちゃんがカムアウトしてきた。

「一重まぶたなん?でも今二重まぶたじゃん」

「23~24のときに変わったの。割と遅かったわ」

「俺も20歳過ぎてからだよ。二重がクッキリしてきたのは。成長の過程で変わるよね」

「アタシは最初東大理三から東大医学部だったんじゃ。女子が圧倒的に少なくてのー。唯一の女友達だったコと二人で「ミス東大コンテスト」に出たんじゃ。」

「でも結局、ミス東大になったのはその友達の方での。わたしが一重でそのコが二重だったんじゃ。二重に負けたっていう(笑)」

「いつも笑いのネタにした」


「東大医学部にいたときにヤクザ彼氏のトモユキさんと東大で大暴れしちゃっての。それで医学部に居られなくなって経済学部に転部したんじゃ」

「医学部では勉強では一番にはなれなかったけど、経済学部では楽勝で首席になれたんじゃ」

「トモユキさんとは19歳のとき六本木のバーでナンパされたのがキッカケで付き合い始めたんじゃ。でもトモユキさんがホモじゃったとはのー」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る