第63話 この世界最大の城エリクシアへ向かおう

勇者の兜を無事にゲットしたユウキ達は、自分達の装備品を充実させる為に他の街を回って装備品を揃える事にした。


(ゲームじゃ、終盤の街ほど強力な武器や防具が売ってたからな。最終的にはドロップアイテムとか宝箱のアイテムとかの店に売ってない武器や防具を装備してたけど、それまでは買えるモノで装備しておくのが無難だろうな。)


ユウキ達が今装備しているのは、


ユウキ

【武器】聖剣エックスカリバー

【防具】ドラゴンの皮鎧

【装飾品】魔法の指輪、ビュンビュンの腕輪、ドラゴンの首飾り、戦神の指輪


ジュリア

【武器】神剣スライムソード

【防具】妖精のローブ

【装飾品】ドラゴンの首飾り、守護の指輪、魔導士の指輪、天使の腕輪


リーネ

【武器】妖精の弓

【防具】妖精のローブ

【装飾品】ドラゴンの首飾り、守護の指輪、魔導士の指輪、天使の腕輪


である。


どれもベルのカジノの景品なので、性能は高い。だが、ユウキが気にしていたのは性能もそうだが、服装だ。


ゲームでは全員が同じ装備を付けていたとしても全く気にならなかったが、現実では同じ格好なのが凄く気になった。すれ違う冒険者達を見ると、色をそれぞれが変えたりしていたので、そういう事が可能なのだと、この世界に来てユウキは知った。


なので、防具に関しては見た目を優先しようと決めていたのだった。

そして、性能で言えば、鎧に兜に盾を装備した方が防御力は各段に高いだろう。


だが、ユウキは鎧一式を纏って行動する事がどうしてもできなかった。


「動きにくい!!」


この一言に限るだろう。なので、ユウキは装備できるにも関わらず防御類は革鎧かローブ系と残りは装飾品のみと決めていた。


「で、ユウキ?どの街に行くの?」

「そうだな~。色々あるけど、俺達の装備ってカジノでゲットした非売品だからけっこう質はいいんだよな。とりあえず掘りだし物とかがないかと、ジュリアとリーネが同じ服を着てるからそれを何とかしたい。」


「ならペイント屋がある所がいいわね。」

「ペイント屋?」


「ええ。あれっ?ユウキは知らないの?装備類の色とかを変えてくれるのよ。戦士とかは鎧と兜と盾を装備する時にそれぞれ色が違ってたら変でしょ。そんなのを直してくれるのよ。」


(なるほど。それは確かに必要だよな。ゲームとは違う所がぞくぞくと出てくるな~。楽しみでもあり、知らない事に対する恐怖もあり・・・て感じか。)


「ペイント屋ってどの街にもあるの?」

「だいたい大きい街にはあるわね。けっこう需要はあるから。」


「なるほど。じゃあとりあえず、エリクシアの城に行かないか?」

「エリクシアに?」


「ジュリアはエリクシアを知ってるのか?」

「もちろん。この世界最大の国であの国の女王様は私の憧れよ。」


(エリクシアはゲームの中で終盤に行く城だ。実際は天空城でドランを借りないと行く事ができない。岩場に囲まれてるからな。実際はどうやってあの国に入るんだろ?)


「なあジュリア?あそこって岩山に囲まれてるだろ?エリクシアにはどうやって行くんだ?俺達はフライの魔法で行けるけど?」

「ああ。あそこには飛空艇があるのよ。」


「飛空艇!?そんなのがあるのか?」

「ユウキって何でも知ってるって言う割には何もしらないのね。エリクシアはこの世界で唯一の飛空艇を持つ国なのよ。飛空艇がないと勝手に入る事もできないわ。」


(なるほど。飛空艇か・・・それなら国を出入りする事もできるだろうな。それにしてもペイント屋に飛空艇か・・・。まあどちらも実際に体験するとないと辻褄が合わないからあるのに不思議はないんだけど・・・なんかな~・・・)


「エリクシアにはけっこう強い武器や防具がある。それにあそこには鍛冶屋があって、武器とか防具の強さを1ランク上げてくれる店があるんだ。」

「あっ!その話聞いた頃あります。高名な鍛冶師に依頼すれば今持ってる武器防具の性能を上げる事ができる。って。その鍛冶師がエリクシアにいるんですか?」


「ああ。俺の聖剣もジュリアの神剣もこれ以上の武器はないぐらいの物だ。鍛冶師に頼んで、ランクを上げるのは悪くないだろ?」

「そうね。それにエリクシアの女王様にも会ってみたいわ。」


(ゲームでは普通に王城に入っていけば女王様とも話できたけど、多分すんなり話は・・・できないよな。)


「リーネもそれでいいか?」

「かまわないわ。」


ユウキ達はフライの魔法でエリクシアに向かった。


「見えてきた。あれがエリクシアの城だな。このまま城下町まで入るか。」

「ユウキ!!それはまずいわ。ここは入国する人をチェックしてるはずよ。勝手に入ったら捕まるわ。」

「了解。なら入口で降りてから歩いて入るか。てか飛空艇以外でエリクシアに来ても中に入れてくれるのか?」


「それは・・・わからないわ。今まで飛空艇以外であの国に行った人なんていないと思うから。」

「う~ん。なら勇者装備の情報を集めてるとかなんか言って入れてもらうか。」

「それがいいかもね。」


(まあ勝手に入れる方が異常だよな・・・。ここもゲームとは違うな・・・)


ユウキ達が城下町に入ろうとすると案の定門番に止められた。

「待て!!貴様達。どこから来た?いやどうやってここに来た?」


ユウキは自分達が勇者パーティの一員である事。今は勇者と別行動をしているが、勇者装備シリーズを探している事を説明した。又、ジュリアがポルートの国の王女だという事も合わせて説明する。


「話はわかった。だが、勝手に入国許可を出すわけにはいかない。城の者に確認を取ってくるからしばらく待つように。」


「ユウキ様?大丈夫でしょうか?」

「どうだろ?問題はないと思うけど・・・」


しばらく待つと、許可が下りたのか入国する事が出来た。更に女王が話しがしたいとかで先に王城に行くように言われたユウキ達は門番の案内の元、エリクシアの王城へと向かうのであった。







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