第22話 仲間になったジュリアの職業は王女!?

ポルートの王様から王子のジョンを旅の仲間にと言われたユウキ達だったがジュリアの一言でゲームではなかった進行になっていた。


ゲームではポルートの城を救った勇者一行は王様より王子のジョンを旅の仲間にと言われ、それを承諾する。職業魔法剣士という上級職業の持ち主で勇者とともにアタッカーとして活躍していた。


「ジュリア、僕が勇者様についていこうと思っていたんだけど・・・」

「お兄様は次期国王として城に残る必要があります。ですので、私が勇者様についていって魔王討伐のお手伝いをします。」

「言ってる事はわかるが・・・」

「わかった。では勇者殿に決めてもらおう。ジョンかジュリアか?」


(いやいや何この流れ??普通にジョンでいいじゃん。魔法剣士だよ。アタッカーほしいでしょ。)

「わかりました。では王女様と一緒に旅を続けさせて頂ければと思います。」

カツヤが相談もなく、ジュリアを選んだ。


「「カツヤ!?」」

「王女様は一度パーティを組んだ仲間だ。強さも知ってるしユウキもアイも仲良くしてただろ?」

「それはそうだけど・・・」


(カツヤは女性だから王女を選んだな。なんか勇者ってプレイヤーが動かしてやらないとダメ勇者って感じだな。顔がにやけてるし・・・)とユウキが思うと

(絶対王女様が女性だから選んだわよね。顔がいやらしいし。なんか最近のカツヤ良い所ないかも・・・)とアイは思った。


「これで決まりね。私も仲間になるんだし王女様じゃなくてジュリアと呼んで頂戴。これからよろしくね。」

(これでユウキ様と一緒に冒険ができるわ。)


(まじか~!?ここでジョンが仲間になると思ったから、あの時、王女様に口止めしたのに・・・これじゃ行動しづらいじゃん。早急にどうするか考えないと・・・)

ユウキは自身の能力に関してジュリアにバレていた。ジュリアとはここで別れてもう会う事はないと思っていたので計画がくるっていた。


王様と別れたユウキ達は宿屋に戻ってこれからの事を話し合っていた。

「さてジュリアも仲間になった事だしこれからどうする?」

「王様が言っていたように東に向かってパルテ神殿に向かうんだよな?」

「お金もけっこうたまったしここで装備を整えるのも大事じゃない?」

「酒場とかで情報を集めるのも重要よ。」


それぞれに意見を出し合って今後の行動を決めた。

「よしじゃあ3日程、ここに滞在してそれぞれ装備を整えたり、情報を集める事にしよう。」

「「「了解」」」


カツヤが今後の方針を決めたのでその後は雑談になり、ジュリアの話になった。

「それでジュリアって職業は何なんだ?」

「私?私の職業は王女よ。」

「「「王女!?」」」


(職業王女ってなんだ??初めて聞くぞ?ゲームでも職業王女なんてキャラはいなかったはずだが??)

「王女の職業って何ができるんだ??」

「普通に攻撃と回復魔法が使えるわよ。武器は基本は細剣ね。前衛でも後衛でもできるわよ。」

「灼熱の杖で攻撃魔法も使えるのか?すごいな。」

「あら?あれは宝物庫から借りただけだからもう返したわよ。」


(え~。チートアイテムもうないの??。あれがあれば道中すごい楽なのに・・・>MPも消費しないし範囲攻撃できるし最高だったのに・・・)

「まあ前衛ができるならバランスがいいな。俺とジュリアが前衛でユウキとアイが後衛だな。」

「そういやカツヤ。パルテ神殿に行ったら俺とアイは転職できるならするけど何になればいいんだ?」

(ゲームならチームメンバーの転職は勇者が決めてたからな。一応聞いておくか?)


「ん?俺が決めるのか?なりたい職業に付けばいいんじゃないのか?」

(適当かよ!?)

「それでいいのか?魔王討伐に向けてこの職業についてくれ。とかはないのか?」

「俺もまだ詳しく知らないからな。でも勇者の俺がいれば大丈夫だろ?」

(かなり適当だな。これでよく魔王討伐できるな・・・ってプレイヤーがいたからどうにでもなったんだった。カツヤが自分で行動したら魔王までたどりつけるか正直心配だな。)


「それよりジュリア。よかったら武器見に行こうぜ。城下町詳しいだろ?案内してくれよ。」

カツヤが武器を見に行くのにジュリアを誘っていた。

「今日は疲れたので、休みます。アイさんと一緒に行ってはどうですか?」

「ならアイ。一緒に武器見に行かないか?」

「ジュリアに断られたからって私を誘わないでよ。見たいなら1人で言ってきなさい。私も今日は疲れたから休みたいの。」

(先にジュリアを誘うなんて最低!!)

「じゃあ1人で行ってくるか。」


相変わらず元気なカツヤは1人で宿屋を出ていった。

ユウキ、アイ、ジュリアはそれぞれ部屋に戻り休息を取った。


ユウキが部屋で今後どうするか考えていると部屋のドアをノックする音が聞こえた。

「すいません。ユウキさん。お話があるんですが。」

ジュリアがユウキの部屋を訪ねてきた。


(きたー!?ジュリアだ。どうしよ?どうしよ?どうしよ?まだ考えが全然固まってないぞ。これからその事を考えようとしてたのに・・・)


考えがまとまっていなかったが、ユウキはジュリアを部屋に入れた。



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