第20話 偽王妃に聖なるミラーを使ってみた

真実の塔で聖なるミラーを手に入れたユウキは気絶しているカツヤとアイを宿屋に運びそれぞれのベットで寝かせた。

「俺はカツヤを見てるから王女様はアイを見ててもらえますか?」

「わかりましたわ。」


ジュリアがカツヤの部屋を出てアイの部屋に向かうのを確認するとユウキは椅子に座りため息を吐く。

(は~やっちゃったよ~。力を隠すつもりががっつりつかっちゃったよ。しかも王女様に全部見られたし・・・そもそも偽カツヤが俺になるってどうなのよ??ゲームじゃありえないっしょ。ゲーム通りに進んでくれないとわからないじゃん。)


ユウキの指摘はもっともだった。ゲームでは偽カツヤが真実の塔でボスとして現れていたからだ。ただ、ゲームの設定は偽カツヤがボスではなく、プレイヤーに変化できる敵がボスだった。ゲームでは一番強いカツヤに変化していたのだが、実際はユウキの方が強かったので、終盤でユウキに変化しただけだったが、ゲームでそんな事はまずなかったのでユウキがその事に気づく事はなかった。


(まあバレたのが王女様でよかったな。偽王妃を倒したら王女様とはもう絡みがないからな。)


~一方、アイの部屋にいるジュリアは

(勇者様の偽物がユウキさんに変わってから勇者様とアイさんはすぐにやられてしまった。でもユウキさんが偽ユウキさんを倒してくれた。剣術に魔法、回復魔法も使っていたわ・・・どう考えても勇者様より強かったわよね・・・どういう事かしら??たしかに勇者様は強かった。でも攻略中いやらしい目で何度か見られてるのを感じたし口調とか、なんか軽い感じがして人間的にどうなの?と思う事はあった。それに比べてユウキさんは真面目な感じがして好印象だったわ。)


ジュリアは真実の塔での出来事を改めて考えていた。


(ユウキさんの方が勇者様よりも・・・。でも内緒にしてくれって言ってましたわ。勇者様もアイさんもユウキさんの実力は知らないって事よね。勇者様が死なないようにサポートしてる?でも勇者様とアイさんとユウキさんは同じ村の出身で勇者様がロッテルドに行くのに二人も一緒に来たって言ってましたわ。う~ん。考えてもわかりませんね。ただ・・・ボスを倒してくれたユウキ様はカッコよかったですわ。)


ジュリアはユウキのメガスラッシュやメガファイアにメガアイスなど偽ユウキを倒した時の姿を思い出し顔を赤らめていた。


ユウキ、ジュリアがそれぞれ真実の塔での事を考えているとカツヤが目を覚ました。

「う~ん・・・」

「カツヤ。起きたか?大丈夫か?」

「ユウキ??あれっ?どうして俺はここで寝てるんだ?たしか真実の塔に行ってたはずだよな?」

「ああ。カツヤがボスを追い詰めて最後の攻撃を受けて気絶したんだよ。自爆攻撃だったんじゃないかな?最後の力を出した後、ボスは倒れたよ。」

「そうなのか?」

「ああ。」


(とりあえず、カツヤがボスを倒したって事にしておくのが正解だろう。こいつは勇者だからな。調子に乗らせておくのが一番だ。)


「ユウキさん。アイさんが目を覚ましましたわ。」

ちょうどアイも目を覚ましたのでジュリアがカツヤの部屋にいるユウキを呼びに来ていた。


カツヤとアイが目を覚ましたので、真実の塔の出来事をユウキが二人に説明した。

「そうだったのか。最後の攻撃はやばかったな。自爆攻撃だったなら納得だな。王女様のおかげで助かったよ。」

「いえ。私は何もしていませんので。」

「そんな事ないよ。王女様の回復魔法がなかったら私もカツヤも死んでたかもしれないんでしょ。それにユウキもありがとう。ここまで運んでくれて。」

「ああ。まあ二人が無事でよかったよ。それに聖なるミラーもゲットできたしな。とりあえず今日はゆっくりして明日、偽王妃の正体を確かめようぜ。」

「そうだな。」


偽王妃に会うのは明日にしてユウキ達は休む事にした。ジュリアも空き部屋があったのでそこに泊まった。ユウキはジュリアに会うと改めて御礼を伝えた。

「王女様色々とありがとうございます。」

「いえ。礼を言うのはこちらの方です。無事に聖なるミラーを手に入れる事ができました。これでお母さまの正体を暴くことができます。」

「ああ、カツヤがいれば大丈夫だよ。あいつは勇者だからな。明日の為に俺も休むかな。」


ユウキはジュリアと別れて部屋に入った。

翌日準備を終えたユウキ達は王城に向かった。門番がいたがジュリアが顔を出し門番を制する。

「私はこの国の王女です。お父様とお母様に話があります。ここを通しなさい。」


偽王女騒動で指名手配になっているジュリアだが堂々とした態度に門番は道を開けた。そのまま王様が座る玉座の間に入るユウキ達。一番奥には王様と王妃様が座っていた。


視界に王妃を捉えるとジュリアは聖なるミラーを取り出し王妃にミラーを向けた。

「それは!?」

「お前はお母さまではない。正体を現せ!!!」


王妃が驚くがすでに遅い。ジュリアは鏡を王妃に向けていた。鏡の中に写っていたのは王妃ではなく、紫色の身体に角と翼が生えた女性が写っていた。そして鏡は光を放って王妃に向かって行く。光を浴びた王妃は姿を変えた。そう鏡に映っていた紫色に角と翼が生えた姿に・・・

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