第12話 西の洞窟へ進む。やはり盗賊は強かった・・・

翌朝、リルの村を出て西の洞窟へ盗賊討伐に向かうユウキ達だが、ユウキはこのままのレベルではきついと思ったのでカツヤにレベルを上げてから向かおうと進言していた。


「カツヤ。今のままじゃ盗賊にやられるかもしれない。少しこの辺りでレベル上げしてからの方が良いんじゃないか?」

「いやユウキ。盗賊ごときに俺が負ける訳ないだろ?それに盗賊の所につくまでにもモンスターは出るからそれを倒しながらいけばレベルも上がってるだろ?」

「それはそうだけど・・・アイはどうだ?」

「カツヤは強いから任せてれば大丈夫だと思うよ。」

「だろ?俺にまかせておけって。」


(まじか~・・・死んでもリセットできないんだぞ。どうする??やられそうになったら逃げるか・・・)


ゲームと一緒じゃないので、死んでも教会からリスタートはできない。死んだらゲームオーバーである。その事を知ってるユウキは不安になりながらもカツヤとアイは盗賊の強さなど知る訳がないのでイケイケになっていた。


(プレイヤーじゃないとけっこうきついな。これって作戦ガンガンいこうぜって感じなのかな?まあ西の洞窟に入ったらカツヤもアイもMPがきつくなるはずだからいきなり盗賊までは辿りつかないだろ?装備品は盗賊を倒せるレベルのモノだろうから大丈夫だろうけど、装備を王女様にもらった弊害が出たな。王都で装備を揃える為にモンスターを倒して経験値とゴールドを得る流れがいきなりできてないな・・・)


リルの村を出て西に進むと洞窟が見えた。

「あの洞窟だな。盗賊がいるのは。洞窟の前に見張りみたいなのがいるな?」

「そうね。どうする?ユウキの魔法で倒す?」

「いや俺もファイア使えるから俺が見張りを倒すよ。」

「見張りは2人いるから俺もファイア使うよ。」

「わかった」


カツヤとユウキが見張りにファイアを使い攻撃した。ファイアをうけた見張りは魔法1発では死ななかった。見張りの盗賊は短剣を持ってユウキ達に襲い掛かってきた。

(やっぱりここの盗賊レベルだとファイア1発では厳しいな。アイスは消費MPが多いから効率が悪いんだよな~。)


盗賊が近づいてくるとカツヤが剣で盗賊に攻撃し、ユウキがファイアを連発する。盗賊から攻撃を受けるとアイが回復魔法を唱えた。カツヤがとどめのファイアを放つと盗賊二人は倒れていった。


「よし倒せたな。でも盗賊も結構強かったな。」

「中に何人の盗賊がいるかわからないけど、5人以上いたらこっちがやられるじゃない?」

(この洞窟の中の盗賊はたしか5人だったはず。たしか・・・洞窟の中に更に2人いてボスの盗賊戦でボスに手下が2人だったよな・・・)

ユウキはゲームでの西の洞窟の敵の情報を思い出していた。


「けっこうヒール使っちゃったから私MPが残り少ないよ?」

「そうだな。洞窟の中を少し見てから危なそうなら一度リルの村に戻って休んだ方がいいかもな。」

(おっカツヤがちゃんと判断できてるぞ。このまま行ったらボス戦で俺とアイのMPは0になってるだろうからな。そうなるとカツヤ一人での戦闘になる。ボスの盗賊はけっこう強いからまあ負けるだろ。なんだかんだでレベル10になるまでは洞窟でレベル上げする事になるかもな。)


洞窟の見張りを倒したユウキ達は西の洞窟に入って行った。

(そういえば、盗賊が暮らしてる洞窟なのにモンスターが出るって、よくよく考えたら変だよな。盗賊達ってどうやって暮らしてるんだろ?モンスターに襲われないのか??)


道中ではオーク、やゴブリン、ウルフやバットも出てきた。少し進んだ所で

「私、MPなくなっちゃったよ。」

「俺も後1発ファイアを打てばMPがなくなるな。」


ユウキとアイのMPが切れた。当然ユウキは魔法の指輪をしているので歩く度にMPは回復している。しかも実際は英雄レベル50なのでMPは全然切れていない。


「そうか。なら今日はリルの村に戻るか・・・早く助けてあげたいけどこれ以上進むのは危ないな。」

(たしかに、村長の娘さんが捕まってるなら早く助けないとな。ゲームの世界じゃ何日宿屋で休んでも日数が増えてイベントが勝手に進むことはなかったもんな。実際問題ここで何日もレベル上げしてたら盗賊が又村を襲ったり、村長の娘さんが死んでいたりとかイベントが起きそうだな。その辺も注意しておかないといけないな。)


MPがきれたのでユウキ達はリルの村に戻り休息を取った。それから西の洞窟に行っては探索を進めていき、MPがなくなったらリルの村に戻るか、洞窟内で野営して4日程経ったときにカツヤとアイのレベルが10になった。


「おっレベルが上がったぞ。新しい魔法を覚えたみたいだ。」

「私も今の出レベルが上がったわ。」


勇者は

レベル5で、ファイアとヒールを

レベル10で、サンダーと疾風切りを覚える


僧侶は

レベル1でヒールを

レベル5でキュアを

レベル10でプロテクトを覚える。


(よし。カツヤが疾風切りとアイがプロテクトを覚えたな。なら盗賊を倒せるな。4日もレベリングしてて村長の娘さんが心配だったんだよな。)

「おめでとう。俺もレベル8になったからそろそろ村長の娘さんを助けに洞窟の奥まで行っても大丈夫なんじゃない?」

「そうだな。早く助けないといけないしな。」


ユウキ達は盗賊のボスが待つ洞窟の奧へと進んでいった。

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