第2章 ゲームの流れに沿って行動しよう

第10話 カツヤ&アイとの再会

王都からの船が最果ての村につき、ユウキは船に乗って王都に向かっている。

「ユウキさん。おはようございます。朝食の用意できてますよ。」

「は~い」

(毎日毎日食事の度に呼びに来るからフライで周辺をうろうろしようと思ってたけど何もできない。あ~退屈だ。何もできない時間ってなんて無駄なんだろう。あ~レベル上げしたい。レベル上げしたい。)


ユウキはフライの魔法が使えるので正直船で王都に向かわなくても自力で向かう事ができる。ただ、ユウキは自分の職業や能力を他人に教えるつもりはなかった。ゲーム通りに魔法使いでレベルは5。の設定でカツヤと一緒に冒険を始めるつもりだった。


(あ~早く王都につかないかな・・・・。もうこれからの事を考えるのも飽きたよ。)


ユウキはカツヤとアイと合流してからのゲームの流れを改めて思い出していた。

王都の次に向かうのは北のポルートの城だ。ポルートの城に行くまでに村を一つ経由する。その村が盗賊に襲われて盗賊の討伐イベントが最初のイベントだ。ポルートの城では最初の仲間と出会うイベントがある。


(リル村の盗賊イベントとポルートのイベントは大丈夫だろうな。だいたいリル村はレベル10あれば余裕だろうし、ポルートはレベル15あればあいつは倒せるはずだしな。できればせっかく転生したんだしカツヤとアイと一緒に冒険せずに一人で自由に冒険したいんだけどな・・・)


そんな事を考えてだらだらだらだら2週間程、船での生活が終わり、王都に到着した。騎士に案内されて王城に行くとカツヤとアイが居た。だが・・・


「お前誰だ???」

ユウキは目の前の全身鎧で固めた男に対して問いかけた。


「いやいや俺だよ。カツヤだよ。アイもいるしわかるだろ?」

(全身鎧って何だよ?誰かわからねぇじゃん。しかも動きにくそ~。たしかにゲームだったから防御力を上げる為にその店で買える一番高い装備品をそろえるまで周囲でレベル上げして買ってから次の場所に向かって行ってたよな。見た目とか動きやすさなんかは考慮した事なかったな。)


ドラゴンファンタジーのゲームでは見た目や動きやすさを装備品は考慮していなかった。大事なのは攻撃力、防御力のみだった。ただ、現実では見た目や動きやすさは冒険していく上ではかなり大事である。


「カツヤ?お前その装備で動けるのか?逆にモンスターに袋叩きにされると思うんだけど??」

「ユウキもそう思うよね。歩く度にガチャガチャ言ってるし。でもね意外とモンスターと戦えるんだよ。」

「そうだぞ。それに防御力を考えたらこの装備が一番なんだよ。」


(たしかにカツヤは今は鉄の剣に鉄の盾、鉄の兜に鉄の鎧かシリーズがそろってるから見た目は悪くないが、これからそれぞれ違う装備していったら見た目もやばくなるんじゃ・・・こんな見た目でよく色んな女性に気に入られてハーレムを作っていったな。よくよく考えると無理があるぞ。)

ユウキは防御力も大事だが、見た目と動きやすさを重視して装備品は選ぼうと心に決めた。


「カツヤ、アイおまたせ。俺もようやく王都についたよ。それで二人は俺がくるまで何してたの?」

「ああお前が来るまで、周辺でレベル上げたり情報収集だな。」

「違うでしょ。ユウキ聞いてよ。カツヤ全然レベル上げしないの!!すぐに切り上げて飲みに行ったり遊びに出かけるの!!」

「いやアイ。ちゃんとレベル上げはしてるだろ。もうレベル7になったからこの辺だったら余裕だったじゃん。」

「この辺りだったらでしょ!!北のポルート?だっけ。そこではどうかわからないじゃん。」


(レベル7?1カ月レベリングして6つしかレベル上げてないのか・・・そういえばカツヤは優柔不断な不真面目キャラだったな。プレイヤーがいないと何も決められなかったもんな。まああれはゲームの仕様だからしょうがないのか・・・。プレイヤーがいないとカツヤってダメダメなんじゃ・・・・)


「レベル7か~。俺も最果ての村の周りでスライムとかゴブリンとか倒してレベル上げてたからレベルは5まで上がったよ。さすがにすぐにMPが切れるから毎日少しずつだったけどな。」


ユウキは魔法使いの設定で話を進めた。魔法使いレベル5ならMPは約20程である。ファイアの魔法を10回打てばMPがなくなる。初期の魔法使いでMPがなくなればもはや何もできない。そんなキャラ設定をしていた。


「ユウキは一人でもがんばってたんだね。」

アイがユウキを褒める。


アイは最果ての村に居たころはユウキが好きだった。カツヤはお調子者だったが不真面目だったので真面目なユウキが好きだった。だが、カツヤが勇者の称号を得た事でカツヤに興味が出て、カツヤと二人で王城で生活する中でアイはカツヤの事が好きになっていた。不真面目だが勇者の称号があり、強くて頼りになる。ミーハー女の典型だった。


「ああ二人にはレベルが追い付いていないけどこれからよろしくな。」

カツヤとアイと再会したユウキは3人で王女のサマンサに会いに向かった。

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