サモンブレイブ・クロニクル~無能扱いされた少年の異世界無双物語
イズミント
第1章 異世界召喚編
01 プロローグ~目が覚めたらそこは~
「知らない天井だ……」
俺、
それもそのはず。
今までいた場所と違い、木造住宅のような造りの場所にいたからだ。
それにしたって、なんでこの部屋に?
「あ、気が付いた?」
そして、今俺の側には金髪ロングヘアの三角帽子を被ったやや幼い容姿の魔女っ子がいた。
年齢的に大体12歳くらいだろうか?
とにかく、この子に聞かないといけないな。
ここがどこなのかを……、そして彼女が誰なのかを。
「えっと、俺は……?」
「あ、無理に思い出す必要はないよ。 お兄ちゃんはあのガルタイト国王によって召喚された人でしょ?」
「え? 何で君がそれを知ってるの?」
「今、もうひとつのベッドで休んでるあそこのお姉ちゃんから教えてもらったの」
「お姉ちゃんって……、あ」
魔女っ子が指を指した先に、俺の知る女子生徒が眠っていた。
「ひなた……」
そう、彼女は
俺のクラスメイトの一人だ。
「ひなたお姉ちゃんは、1週間ずっとお兄ちゃんの看病をしてたんだよ。 その傍らで私や他の国々が忌み嫌うガルタイト国の勇者召喚の話を聞いたの」
事情をひなたから聞いていたからこそ、魔女っ子は今回の件を知ったんだろう。
「しかし、あの国は本当に呆れるよ。 ほとんどの国は、魔族とは友好関係を結んでるのに、ガルタイト国だけはそれに不快感を持ってるからって…」
「じゃあ、魔王を倒す為というのは……?」
「あの国は『魔族殲滅主義』を掲げているからね。 魔族を徹底的に滅ぼす事を目的に、異世界から勇者を召喚したんだよ」
聞けば聞くほど呆れてくる。
つまり、魔族は基本的に友好なのに、あの国王はどういうわけか憎悪を抱くほどに敵視してると……。
「加えて『勇者至上主義』をも掲げているからね。お兄ちゃんが勇者じゃないからってあんな呪いを掛けるなんてね」
金髪の幼い魔女っ子からはかなりの怒気を感じる。
ていうか、俺はあいつらに呪いをかけられていたのか。
どうりで、急に意識が飛んだと思ったら……。
「お兄ちゃんにかけられたのは、睡眠系の呪いだよ。 私でも3日かかるレベルの強い呪いがかけられていたの。 放っておいたら死んじゃう可能性もあったんだから」
そこまでヤバかったのか。
魔女っ子には感謝しきれないな。
「とにかく、ありがとう」
「どういたしまして。 一応、お姉ちゃんにもお礼言ってあげてね」
「そうだな。 目覚めたら言っておくよ」
「あ、まだ名乗ってなかったね。 私はアイリス・ガイアブルクだよ」
「俺は、
「うん、こちらこそよろしくね、アキトお兄ちゃん」
満面の笑みを浮かべる魔女っ子こと、アイリスちゃん。
とにかく、ひなたが目を覚ますまで養生しよう。
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