私は星が好きだった。ーーー
ポカポカ妖気
第1話
私は
同性だからこの気持ちは違う。これは友愛なんだと思い込もうとしていた。
仮に私が本当に星を好きならば尚更、星だけは避けたいと願っていた。
だって彼女には幸せになって欲しいから。私の身勝手な気持ちで縛りたく無い。
私から逃がしてあげなくては。
しかしどう頑張っても星の事しか考えられなかった。
私の目には星しか入らない。。。
私こと
その相手は
私達は所謂幼なじみであった。家も近く同い年。何より母親同士が仲が良く家族ぐるみで親交が深かったのだ。
星のお母さん、
幼稚園に通う様になってからも私と星はいつも美子さんの仕事が終わるまで我が家で過ごして居た。
一緒に遊びご飯を食べお風呂に入る。私たちは姉妹の様に育ったのだ。
その頃の星は幼稚園でも家でも常に私の後ろにくっついていた。多分美子さんが忙しくなかなか一緒に過ごす時間が少ないので寂しかったのであろう。
同い年だが一回り小さい、そんな星が可愛くて可愛いくて
「私達ずっと一緒だよ!」
といつも星に言っていた。
そう言うと星は満面の笑みを見せてくれた。そんな星の笑顔が大好きだった。
そんな私たちに変化が起きたのは小学5年生になってからだった。
相変わらず美子さんは仕事が忙しく、星は私の家に帰ってきていた。
しかしそんな私たちは、一気に一緒に過ごす時間が減った。
元々身体を動かすのが好きだった私は運動部に所属する事になり、夕方まで部活動に励んだ。その他の時間も部員の仲間たちと過ごす時間が増えたのだ。
そんな私とは逆に星はインドア派。部活動には所属せず
私の母はピアノ講師で私と星は幼い頃から一緒にレッスンを受けていた。だが不器用な私は直ぐにやめ星だけは続けていたのだ。
そんな風にやる事が全く違う私達の接点は夕飯の時間だけとなっていた。
だがその唯一の交流の時間も私が一方的に話すだけ。
友達と遊んだ事、部活動の事を話題にするが星は興味無さげに相槌を打つだけだった。
私に全く興味が無いようなその態度に段々苛立ちが増した。
その後も変わらず私に興味無さげな星に対してすっかり拗ねた私は星と話すことを極力避けるようになった。半ば意地になっていたのだろう。
多分その頃からだ。
星が滅多に笑顔を見せてくれなくなったのは。。。
そうしてすれ違いながら過ごした私たちは中学生になった。
その頃には星は私の家に帰ることは無くなっていた。ただ週に2日ピアノレッスンに家へ来るだけ。
その日だけは私は急いで帰宅する様にしていた。一目だけでも星を見たかったし挨拶程度でも言葉を交わしたかったから。
意地をはって会話をしなくなったことを私は後悔していた。
何とか以前の関係に戻りたかったが、クラスも違う、共通の話題も無い私たちは溝が出来たままだった。
そんな日々を過ごしていたある日。。。
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