第19話

 アイナとタスクの治癒魔法で俺の傷は一日掛けて治った。


「ぐうぐう」

「すやすや」


 魔力を使い果たした姉弟は、教会のベッドで倒れる様に眠っている。


「ありがとう」


 俺は二人にそっと、毛布を掛けてやった。


「それにしても、俺の他にも転生者がいたとは……」


 誰だか知らんが、そいつは勇者アストリアに転生している。


 そして、そいつはものすごく嫌なやつだということ。


 そいつとパーティを組むのは嫌だ。


 だが、組まなければ、俺はモブとして終わってしまう。


 モブになれば死を待つのみだ。


 そして、あのアストリアが王になれば、この世界は魔王に支配されるよりも不幸になるだろう。

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