第17話 あなたが望むことは何ですか?

もし何か起こると知っていて

その時より前に知っているとしたら

あなたはお金を掴みますか?ものを掴みますか?

それとも未来を掴みますか?

それか今を掴みますか?

人を掴むのでしょうか?

何を望むのが人間本来なのでしょう?


今にも死にそうだった小さな子は考える。

私は何も掴みません。

だって空気が欲しかったから

今もご飯が欲しいから

呪いかけられるなんて嫌だし

嫌な夢だって見たくないし

働きたくもない。何にもしたくない。


そう言えばお前は石だと言われる

原石ですらないと言われる

磨いて光らなければ原石の意味もない。


この人の世では力が無ければ

一瞬を生きる質問が続く

長くいきたければ答えるしかない

長く生きるには食い扶持、日銭を稼がなきゃならない

なら何のために今一瞬生きようと藻掻いているのか

それを考えると私は絞められた首の手を外そうと藻掻くのをやめた。

だって一瞬我慢すれば、眠った時の暗闇が続くだけだ。


そう思って待っている時に手を離されるとやる気がなくなる

今の覚悟は何だったのだろう?

そう、覚悟も必要ない。

一生漫然と生きていても、何を選んでも、いつ死んでも人なんだ。

どれでもいいし何でもいいし、どこでもいつでもいいから

好きなことして好きなだけして、ごみ屋敷に住んだっていい。


だってもうあれだ、私には一秒先が見えないんだ。

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