第91話 日常(2) <2031年12月>


先日、数ヶ月に渡って起こっていた中郷町での『空列激新団』との戦争にやっと終止符が打たれた。

そして、『深緑の妖精』は、中郷町の大部分を占領することに成功した。


そして、今日は久しぶりにゆっくりしている。

いつもの事だが、遅くまで奈緒と夜の運動をしていたので、ちょっと眠い。

彼女たちは俺と寝ると毎朝スッキリしており、お肌もツヤツヤである。


俺はちょっと疲れている。

彼女たちは順番で2日〜3日に一度に対して、俺は毎日である。

本当にたまにで良いからゆっくりと寝たいものだ……贅沢な悩みだが。



今日は奈緒と2人で中郷町の散策に入っている。

奈緒が新しい服が欲しいとの事で、ファッション雑誌を探しに来ているのだ。

古い感じになってしまうが、雑誌は貴重な情報源である。


何に使うかと言うと、ウチの旅館風豪邸を設置したときもそうだが、自分のイメージを主体にして【創造】が可能となる。

そのため、服も新たなデザインの物が欲しい場合、ファッション雑誌を基にして、服を【創造】している。




2人なので、散策範囲もあまり広がらず、結局散歩デートみたいになってしまった。


俺が奈緒の手を恋人繋ぎで握ったら、奈緒も握り返してくれた。

俺がギュッと軽く力を入れて握ると、奈緒もギュッ握り返してくれる。

人気がまったくない道を2人してゆっくりと歩いている。


12月に入り風も冷たくなってきている。

奈緒が手を握ったまま近寄って来て、腕に抱きついて来た。

俺の腕が奈緒の豊かな胸の間に埋まる、こうゆうのも良いな…。


「あったかいね…、それに気持ちいいでしょ?」

「……うん、あったかいくて、気持ちイイ。」


「知ってると思うけど、フーくんのお陰で、また少し胸が大きくなったんだ♡」

「っそか…それは良かった。」


「今日は良いファッション雑誌見つからなかったけど、今ある雑誌を参考にしてデザインを伝えてくれれば、創造するぞ!」


「そうしてみようかしら…。」

「誰かファッション関連の仕事をしている人がいればその人に頼めるんだけどな。」


「ダメ元で今度入ってきた人たちに聞いてみようかしら。」

「そんなに都合よく見つからないと思うけど聞いてみれば!」


「うん、そうしてみる。」



結局この日は、これ以上の散策はせずに早めに家へ帰る事にした。

拠点へ着いて家に帰る途中で、菊池達の元従属配下だった佐々木健太とばったり会った。


「何されていたんですか?」

「フーくんとファッション雑誌を探しに中郷町を散策してたんだよ。新しい服が欲しくてそのイメージ作りに。」


「そうなんですね。懐かしいです。社会人時代を思い出します。」


「「!!」」


「佐々木は何かファッション系の仕事をしていたのか?」

「はい。デザイナー目指してました。まだ下働きで、デザイナーとして食べては行けませんでしたが・・・懐かしいです。」


「やったねフーくん。」

「そうだな。こんな間近に探し求めていた人材が!」


「っえっえ何ですか?」佐々木は少し戸惑っている。


「さっきも言ったが、奈緒が新しい服を欲しがっていて、服のデザイン画を描いてくれないか?」


「っえ?私で大丈夫ですか?」

「いいに決まっているだろう!他にファッション関係の仕事している奴なんて知らないし…なあ?」


俺が奈緒にも同意を求めるように話を振ってみた。


「そうだよ。他に誰もいないもん、お願い出来ないかな?」


「そうゆう事でしたら、玲子さんの方が適任だと思いますよ。彼女は自分のブランドを立ち上げでましたから!メディアにもたまに紹介されていましたよ。」


俺と奈緒はビックリしてしまった。


「っえ?そうなんですか。全然知りませんでした…。」

「彼女に言えばきっと想像以上の物を仕上げて下さいますよ。」


「そうか、ちょっと俺からも相談してみるか。そうだ、話は変わるが、他の人が何が得意かなど知ってるか?」佐々木が少し悩んでいた。


「……いや、それ以外はあまり詳しくありませんね。玲子さんの件は私がファッション関係の仕事をしていたので、勝手に知っていただけですので…。」申し訳なさそうに言ってきた。


「分かった。玲子の話を聞けただけでも助かった。他の者にはこっちから聞き取りしておくわ!佐々木も何か自分で作った服が欲しくなったら、デザイン画を渡してくれれば後で作ってやるよ。気晴らしになるだろうしいいだろう!」


「あ、ありがとうございます。時間を見つけてやってみます!」

「じゃあねー。」



拠点に人が増えて、集落みたいになってきた。

こうやって人と接するってやっぱり良いと感じたのだった。




その後、玲子をチャットで家へ呼び出した。


To:風馬『今暇か?』

To:玲子『レベル上げをしておりますが何かありましたか。』

To:風馬『だった、一旦レベルを切り上げて部屋へ来てくれないか?風呂も入って汗を流してからでも良いから。』

To:玲子『……わかりました。』

To:風馬『どのくらいで来れる?』

To:玲子『30分ほどあれば行けると思いますので、16時にわ。』

To:風馬『了解。よろしくな。』

To:玲子『ミレーネさんや奈緒さんはいらっしゃるのでしょうか?』

To:風馬『いや、外に出ているはずだから夕食まで帰って来ないな。』

To:玲子『わかりました…。』


その後、ダイニングで玲子を待っていたが約束の時間を15分過ぎても現れなかった。

どうかしたのか心配になって連絡すると、俺の部屋で待っているとの事だった。

チャットの履歴を確認すると『部屋へ来てくれ』と連絡していた。


「そりゃ、ダイニングで待っていても来ない訳だな……。」


急いで俺の部屋へ行くと玲子が俺のベッドに腰掛けて待っていた。

俺が部屋に入ると慌てて立ち上がり、羽織っていた物を脱ぎ、色気のある下着姿をしていた……。


「お待ちしておりました……。初めは優しくお願い致します。」


あれ?俺って何か間違った事したかな?


「………いやいや。そんなつもり無いから、服を着てくれ。どうしてこうなった?」


「っえ。失礼しました。私などがお相手するなど畏れ多かったですね…。」玲子は何な少し残念そうだった。


「いや、玲子は魅力的な女性だと思うぞ。出来れば俺もお相手願いたいが、今はいろいろと無理だ!」


ですね、承知しました。」

「いやいや、これからも無いから。それに、俺が相手何て嫌だろう?」


「いえ、その様な事はありません。風馬さんがその気なら私はいつでも………♡」

「っえ!本当かに?」

「……はい。」


「って、3人相手でも辛いからもう無理だ……。」


俺って、やっぱりモテ期に突入してる感じかな…?

何故か少しガッツポーズしてしまった。


「私は空いた時にお相手して頂ければ結構です…。」

玲子の顔が少し赤くなっていた。


ちょっとありかもと考えてしまう自分がおりなされない…。

静香さんはまだしも、ミレーネや奈緒達への説明が大変だろう。


その時、ミレーネと奈緒がタイミング良く俺の部屋に入って来るのであった。


「「……。」」ミレーネさんと奈緒さんの目が細くなりこちらを睨んでいる・・・。


「今回は静香さんの時とは違い濡れ衣だ!俺は何もやって無い。」


「でも、これからヤルつもりだったんでしょ!未遂だけど一緒じゃない!!」

ミレーネが第一声をあげた。


「これはどういうことなのか説明して下さい!」

奈緒が少し低いトーンで話してきた。


「………実は奈緒に新しい服をプレゼントしたいと思って、奈緒に内緒で玲子に服のデザイン画を依頼しようと思ってたんだ。そしたら、いろいろとがあってこうなってしまった。」


その後、質問攻めに合うも玲子も俺のフォローに回ってくれて事なきを得た。

そして最後にミレーネから思わぬ言葉が…。


「女を増やすのはいいけど、事前に相談してよね。急に彼女が増えましたじゃ嫌だからね…。」


「もうこれ以上は…。」

「と言いつつ、フーマのことだから分からないでしょ?」

「っぅう。……わかりました。」


もっと彼女を増やしても良いの言質をミレーネから取ったのであった。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


おまけ


<風馬派閥>

・恋人 : 3人 ミレーネ、高橋奈緒、笹野静香

・従属配下 : 48人 ミレーネ、ナビル、ジェイド、サミュエル、田村秀樹、高橋奈緒、田中一雄、田中和美、田中美咲、中郷組39人(高木達12人、玲子達27人)






<他作品>

最強のクズ職〜てめぇら見てろよ召喚士だがこれからは俺のターンだ〜

https://kakuyomu.jp/works/16817330647505909489


よろしければ、ご覧ください。

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