第86話 飴色

一粒の飴を頬張りながら、夕日に味があるならば、きっとこんな味がするのだろうなと思った。半透明の飴。夕空に透かすと、縁日に連なる提灯みたいに内側から光を放つ。オレンジの飴はオレンジ色に。葡萄の飴は紫に。苺は赤。ソーダは青。ずっと食べ続けたら、いつか私の喉も虹色に染まるかもしれない。

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