第66話 合言葉
あなたと手を繋いだ満月の夜。あの思い出にアクセスする合言葉はどこへ行ってしまったのだろう。消えたアドレスと思い出せない約束。優しい笑顔だけがぼんやりと残っている。いいんだよ、何も思い出せなくても。あなたはそう言ってくれた。肩を寄せて手を繋ぎ、新しい合言葉を満月の下でつむぎながら。
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