第32話 自給自足国家
前書き
今話は31話のムッソリーニの条項がないとわからないため、書いておきます。
○缶詰工場の増加促進
○重工業の促進。
○造船業の促進。
○ジャガイモ普及の促進。
○泥濘地帯の灌漑工事、出来ない場合は泥濘地帯で育てられるレンコンの栽培する。
○イタリア全土にレーダー網を活用した要撃体制を構築する。
○トルコとの条約更新の条項にクロム鉱石の優先的輸入を追加する。
○新型主力戦闘機・迎撃戦闘機・艦載機の開発。
○スペインで数ヶ月以内に内戦が起こる可能性が有り、共産勢力撃滅の為に反乱勢力に備蓄をしながらも兵器・弾薬等の支援し、装甲戦力・航空戦力・巡洋艦と駆逐艦の艦隊の派遣させる。ソ連による支援があることが予想され、ソ連との戦車戦・航空戦を研究する。支援にはカルカノM1891等を送ることで兵器の更新を加速させ、軍需産業を促進させる。
○上記のことでスペインの治安が悪化する可能性が高いので、治安維持を目的にカラビニエリを派遣する。
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-イタリア:ローマ ヴェネツィア宮殿 世界地図の間-
1936年5月6日
「そう言えば、チャーノ外務大臣はこの条項に改善が必要だって言ったけど、何処が改善が必要か言ってくれる?」
とふと思った疑問をチャーノに聞いてみた。
「はい、1つ目の缶詰工場は良いと思います。しかし、これより先に直さなくてはならない根本的な問題があります」
「根本的な問題って?」
「私が戦地に行った際に出されたレーション…特に牛肉が不味いかったのです。なのでレーションの味を改善してください。そして、最前線の将兵は慢性的な水不足で、行く先々の街や村で徴発するか、補給物資が届くのを待たなければならなかったのです。更に問題点として兵站が脆弱すぎます。エチオピアとの戦争中に何度も攻勢が止まったのは、これが原因です。なので輸送部隊の拡充を進言致します」
牛肉が不味いって話しは知らなかったけど、レーションが不味いのはどうにかしないとね。それだったら、ドライフルーツやショカコーラを追加するのもありかも、でもイタリア軍のレーションが不味いなんて知らなかったな。
それに水不足は深刻だからね。今では『砂漠でパスタ』なんてネタにされているけど、そんなことはなくて水不足でパスタを茹でる水がなかったからね。大戦初期なのにも関わらずに北アフリカ戦線の兵士一人はあたり500mlの水しか供給されていなくて、北アフリカ戦線に補給物資が届かなくなるとガソリンに浮いた水を飲んでいたなんて言われているほど酷かったって言われているから、これは早急に解決しないと。
「わかった。兵站の強化と補給物資の拡充。レーションの改善が必要だね。この後、バルボ国防大臣とそのことについて、しっかりと議論しておくよ」
「ありがとうございます。それと、2つ目についてですが、イタリアにとって重工業の促進は絶対に必要です。我が国は列強国の末席に座っていますが、列強の中で一番工業化が遅れており、今回の戦争で改めて生産能力低さを痛感していたところでもあります」
「そうだね。でも、これには沢山の技術者が必要なんだけど、これを気に女性の社会進出を強化しようと思う」
まあ、この世界は私とヒトラー総統が女だから、史実よりも女性の社会進出が進んでるけどね。
「ドゥーチェ、それはいい考えです。先の大戦で大勢の男が徴兵されて、女性が工場勤務等を男の代わりに務めていました。万が一先の大戦のような事がありましても問題なく生産能力を維持できると思います」
「そうだね。3つ目の造船業を促進についてはどう思う?」
「促進ということは、増設や建設をするのでしょうか?」
「そうだね。大型艦を建造できるトリエンテとジェノヴァにドッグを増設。イタリア領リビアと東アフリカ帝国のエリトリア・ソマリランドに戦時型駆逐艦や輸送艦、魚雷艇を建造できる造船所を建設するって感じかな」
「なる程、植民地の方には現地住民を使うのですか?」
「そうだね。本土は他のこともやんないといけないから労働力が取りないだろうからね。その代わりに3交代制で給料も支払うからかなりの人数が来ることが予想できるね」
「それは良いですが、予算的に大丈夫でしょうか?」
「エチオピア中央銀行が列車で持ち出そうとしたお金を使うから、問題ないよ」
「それなら安心ですね」
チャーノとの会話が終わった後に商工大臣が話しかけてきた。
「ドゥーチェ。泥濘地帯の灌漑工事についてなんですが、予算的に厳しいので泥濘地帯でレンコンの栽培のみにお願いできないでしょうか?」
「わかった。ジャガイモとレンコンを一緒に栽培を失業者に土地を与えて栽培を促進させようか、小麦戦争制作のように自給率が100%にはならないと思うけどやらないよりは良いからね」
「そうですね」
商工大臣との会話が終わると直ぐにバルボ国防大臣が話しかけてきた。
「ドゥーチェ、イタリア半島は不沈空母です。レーダー網を構築するのは軍として賛成です。そして、主力戦闘機等の開発も賛成します。しかし、レーダー網を構築するのはいいのですが、それを建設する労働力の確保をお願いできないでしょうか?」
「労働力ねぇ…」
「ドゥーチェ、私からよろしいでしょうか?」
とモーリー内務大臣が話しかけてきた。
「どうしたの?モーリー内務大臣」
「レーダー網を建設するのに必要な労働力の確保ができますが、いいかが致しますか?」
「確保できるなら有り難いけど、どうやって確保するの?」
「囚役中の犯罪者共に社会復帰を目的に建設作業をさせるんですよ」
「その手がありましたか、ドゥーチェ、それを採用してもよろしいでしょうか?」
とバルボ国防大臣は感心していた。
「良いよ。だけど、囚人が逃げないようにしっかりと対策を取ることいいね?」
確かに囚人を労働力としてはインフラ作業や鉱山で働かせるのは古今東西あることだし、問題はないかな。
「それはお任せください」
と自信満々にモーリー内務大臣が言う。
チャーノ外務大臣と商工大臣が質問してきた。
「ドゥーチェ、トルコとの貿易に関してですが、問題ないと思います。しかし、保護国のアルバニアには小数ではありますが、クロム鉱石も取れています」
そう言えば転生する前の世界のアルバニアはクロム鉱石の産出量が世界第7位と大量に眠っているんだった。イタリアが大戦時に本格的な開発が始まったんだけど、産出量が少なくてその後休戦とともに開発が停止して共産主義政権になるまで本格的な開発されなかったんだよね。まだ、時間はあるからやって置いた方がいいか。
「アルバニアに本格的なクロム鉱山の開発をするように言っておいて、必要であればイタリアが支援すると」
「わかりました」
「去年完成した油田パイプラインを結ばせてくれた御礼とでも言っておいて」
※1925年イタリアはアルバニアの領域で油田開発をする権利を得て油田開発を進めて1935年には油田パイプラインを完成させた。
「わかりました」
「それとこれらの目的にの為にアルバニアからの天然アスファルトの輸入量を増やしておいて」
「わかりました」
「国内の鉱山開発も進めて置かないとね」
「そうですね」
「バルボ国防大臣、スペインに派遣するのは問題なさそう?」
「はい、陸海空軍の装甲戦力と航空戦力に艦隊を派遣するのは問題ないと思います」
「モーリー内務大臣はカラビニエリの派遣するのは大丈夫?」
「問題ないと思います。エチオピアとの戦争中に増強させた部隊を派遣するので戦力の低下になりません」
「わかった。他には何か追加したい内容とかあるかな?一応みんなの意見も聞こうと思ってね」
その時、大臣達が顔を合わせた後に
「ドゥーチェ、この戦争によって金本位制の弱点が露呈しました。管理通貨制に変更をお願いします!」
「ドゥーチェ、戦闘機ばかりではなく、爆撃機や偵察機、水上機の開発の許可を!陸軍から戦車エンジンの開発に苦戦しているので、ドイツと共同開発かライセンスを貰いたいと要請が来ています!それと、海軍からも海軍航空隊の訓練を日本で行いたいと要請が来ています!」
「この重工業化の為にもドイツの工業製品の輸入の交渉をお願いします!」
「リビアの油田拡大の為に油槽船の大量建造の許可を!」
「多くない…?」
と困惑した私がしたのは悪くない。
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イタリア王国軍記〜美少女ムッソリーニに転生したのでイタリアを改革しイタリア軍にやる気を出させイタリアを勝利に導く〜を
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-追記-
6月19日 誤字を修正しました。
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