エロゲの美少女は案外チョロい
悠/陽波ゆうい
第1話 エロゲの美少女は案外チョロいのでは?
——エロゲの美少女は案外チョロいのでは?
エロゲをプレイして「早よ告れや」や「今いい感じだからもう少しガツガツいけよ!」「お前のエクスカリバーは何のためにあると思っている!」などと、画面越しの主人公に思ったことはないか?
エロゲの美少女は案外チョロいのだから、もっとエッチなことを要求しようぜ!
そう考えたことはないか?
…………。
あ、どれも考えたことない? ……そう。
まあこういうことを考るのって大体寂しい独り身の男だよなー。あはは、あははは、あーーーー………現実に戻るか。
「終わった〜」
先月発売されたばかりの成人指定のエロゲのエンディングのスタッフロールを見て、悦に浸る。
学園もののエロゲでイベントを通してヒロインたちと仲を深めていくという至ってテンプレートなもの。今日で個別のルートも全クリした。
「ふー、今回のエロゲは歌よし、作画よし、ストーリーよし。初心者でも十分楽しめる実にいいものであった。ぜひAmazoomにレビュー文を書こうじゃないか」
夜もふけ時計を見ると0時を回っていた。
「そろそろ寝るか。ふぁ……」
お風呂入って歯を磨いて……。あー、明日からはどんなエロゲーをやろうかなー。
そんなエロゲ中毒者な俺の前世の記憶は、ここで途切れてた。
「知らない天井……。ふっ、ついにこの日がきたのか」
目が覚めたらベッドの上だった。
当たり前だって? エロゲ中毒者の俺はいつでもエロゲをできるよう、長時間座っても疲れない椅子に座って寝ることが多い。
つまりだ!
ここは俺が住んでいた世界ではない。どこかに転移か転生したんだ!!
ふはっはっはっ!! やったぞ! 俺はやったぞ!!!
部屋には鏡があり、そこに映った自分の姿を見て、さらに満足。
長い前髪をどかせば、端正な顔立ちに、細マッチョな体……。
さそがしこの顔で得を積んできただろう。それを知らん奴に活用されるなんて……可哀想だなイケメンくん。
俺は嬉しさを内心に抑えきれず、思わずガッツポーズ。
一人ぼっちだった俺は、容姿と行為と喘ぎ声で下半身に刺激を与えてくれた数多くのヒロインに、何度も救われてきた。
エロゲ世界のモブでもいいから転生しないかと、願い憧れていた。ずっと憧れて、憧れて……何度も画面に叩きつけならそっちの世界に入れるかもしれないと夢を見た。だが、結局……当たり前だがエロゲの世界にはいけず、俺は泣く。その姿を見て親は泣くという始末。
辛かったよ……マンマ。朝起こしてくれる幼馴染はいないし、ツンデレな妹も小悪魔な後輩も美人な先生もいない。俺が通っていたのが中高男子校だからか。
などと喜んだり、昔を思い出し泣いたりしていると、ドアが開き誰か入ってきた。
「あれ? ゆーくんが珍しく起きてる〜!」
驚いた様子で俺を見るのは……美少女。それはもう顔もおっぱいも完璧な美少女。
早速美少女ヒロイン登場で俺もキャンタマも固まってしまった。
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