第20話
「ふむ……想像以上の強さじゃな。火力不足感が否めないが、戦闘技能などを見ればミレーナよりもレイクのほうが高いじゃろう。実際、ミリーナは何が起きているのか理解できておらぬようじゃしのぅ」
僕とミリーナの戦いを見ていたリーゼさんが口を開いて感想を述べる。
「卑怯でしょ……あれ。幻術も気配絶ちも無駄とかどうかいくぐるの?」
「小手先の技じゃ無理じゃな。純粋な力で押し通るほかないのぅ」
僕の疑問に対してリーゼさんが答えてくれる。
「……無理ゲー」
僕は素直な感想を漏らす。
どうあっても僕で勝てる未来は見えてこなかった。
くそ……あの不良品。相対してみえばめちゃくちゃ厄介だな!
何よりも弱い不良品だと思っていたのに!
やっぱりリアルの戦闘とゲームでの戦闘は違うなぁ……まぁ、当然なんだけどさ。
「まぁ、そうじゃのう。ミリーナの戦い方は雑魚狩りという面で見れば最強じゃからな」
「……むぅ。どうせ私個人には何の戦力もありませんよーだ。戦い方もなっていない雑魚だよー」
「だね」
「じゃな」
僕とリーゼさんはミリーナさんの言葉に頷く。
「少しは否定してくれても良くない?完全肯定?泣いちゃうよ?私」
「事実だし」
「事実じゃし」
僕とミリーナさんが同じ技を使っての戦闘だったらまず間違いなく僕が勝っている。
「……」
僕とリーゼさんにあっさりと肯定されたミリーナさんは項垂れ、隅っこでいじけてしまった。
「さて、と。それでだけど僕の実力はどんな感じ?」
「合格じゃな。装備を揃えたりもすれば何の文句もない状態になるじゃろう」
「なるほど。じゃあ、合格ってことだよね?」
「うむ」
僕の言葉にリーゼさんは頷いた。
「じゃあ、さ。これから君たち二人がどう動くつもりなのか……僕に教えてよ」
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