第41話

「おかえり。マキナ」

 

 僕はアースライト公爵家が居城で、マーキュリー公爵家の当主であるマンルスを殺し、アースライト公爵領に攻め入っていたダグラスを返り討ちにしたマキナを出迎える。


「うん!ただいま」

 

 マキナは僕の方に抱きついてくる。


「頑張ったよー」


「うん。頑張ってね。偉いよ……」

 

 僕はマキナの頭をたくさん撫でてあげる。マキナは本当によくやってくれた。


「それで?この後はどうするの……?ちゃんと私たちは勝てる?」


「ん?……あぁ。うん。もう大方勝ちだよ」

 

 公爵家当主、二名死亡。

 残りはたったの二名。

 当主を失ったことでマーキュリー家もマーズレフト家も混乱し、戦争からの離脱を表明し、魔王戦から降りることを宣言している。

 今までは一対四で戦っていたところを今、一対二をこなすだけで良い。

 普通に考えればもう勝利したと言っても過言じゃないような状況だった。


「えへへ……それなら良かった。せっかく領地が良くなっているんだもん。こんな戦争なんかで全部無意味になっちゃうなんて嫌だからね」


「うん。そうだね。確かに言う通りだ……だからこそ僕たちは負けられない」


「この後の作戦は?」


「力押しー。とりあえずのゴリゴリの力押し。敵の数も減ったし、普通に軍を2つに分けてゴリ押しするだけでも兵士同士の戦いなら勝利出来ると思う」

 

 軍事に置いて他の四家よりも抜きん出ていたアースライト公爵家であれば、二家と戦い、勝利することくらいは出来るだろう。


「じゃあ、やっぱり勝利の鍵は公爵家の当主同士の戦いになってくるわけだね」


「うん。そういうことだね」


 僕はマキナの言葉に頷く。


「じゃあ、今以上に私が頑張らないと!」


「うん。頑張って。応援している……僕じゃ公爵家当主には逆立ちしても勝てないから……」


「ふふふ。あいつらの相手は私に任せてよね!ちゃんと問題なくぶっ倒してあげるんだから!」


「ありがと」

 

 僕とマキナはダラダラ雑談しながら、自分たちの部屋へと向かった。

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