第10話 ママの様子が少し変なんです。
7/30(土)気温30度
・成瀬家午後16時 リビング
「みんなー、少し早いけど夜ご飯ができたわよ」
「食べる、食べる~!」
彩希ねえは大好物のグラタンが出ているから、いつも以上に喜んでいた。油断してたら僕のグラタンまで取られそうな勢いだ。
「言っとくけど彩希ねえ、僕のグラタン取らないでよ」
「わかってるわよ、けど食べきれなかったら私が食べてあげるからその時はおとなしく渡しなさいよ!」
「そのときは明日に取っておくよ」
「もう!私にくれればいいのに」
「彩希はほんとにグラタンが好きね」
「うん!お店で食べるグラタンよりもママの作るグラタンのほうが好き!」
「うれしいわね、近いうちにまた作るわ」
「やったー!もうママほんと大好き!」
「ママも彩希大好きよ」
そんなことを話しながらママは夏帆さんの座る椅子を用意した。
「はい、夏帆ちゃんここに座って食べなさい」
「ありがとうございます!失礼します!」
「はーい、どうぞ」
夏帆は席に着くと元気よく挨拶をしてすごい勢いで夜ご飯を食べ始めた。
「夏帆、あんたそんなにお腹空いてたの?」
「うん、私昨日の夜から何にも食べてないんだよね」
「ええっ!?夏帆ちゃん何も食べてなかったの?」
「はい、はやく彩希の家に行きたくて!」
「そうなの」
僕とママはいつも通りゆっくり食べていたが、彩希ねえと夏帆さんはめちゃくちゃはやく食べていた。そして、僕とママが半分くらい食べ終わるときに彩希ねえと夏帆さんはほぼ同時に食べ終わった。
「「ごちそうさまでしたー!」」
「おそまつさまでした」
いや、食べ終わるのはやすぎ、、、。
「ママ、お風呂できてる?」
「ええ、できてるわよ」
「夏帆一緒に入らない?」
「身体を見られるのは恥ずかしいから、、」
夏帆は彩希とお風呂に入るのを恥ずかしがっていた。
「恥ずかしいんじゃあ、しょうがないわね」
「夏帆、先に入りたい?」
「私はどっちでもいいや」
「そう、じゃあ私が先に入っちゃうわね」
彩希はそういうとさっさと脱衣所のほうへ行ってしまった。
・成瀬家午後17時 リビング
「ごちそうさまでした!」
「はーい、おそまつさまでした」
ママはテーブルに置かれているお皿を片付け始めた。
「ママ、今日は僕もお皿洗うの手伝うよ!」
「ありがと、秋葉!じゃあお言葉に甘えようかしら」
僕はママのお皿洗いを手伝うことにした。
数分後。
「ふう、これで終わりっと!」
「ありがとう、秋葉」
「うん!」
「ママ、助かっちゃったわ」
「休みたいときはいつでも言ってね!」
「ありがと」
「こんな感じでいいっすか?」
夏帆さんは食べ終わった机を拭いていた。
僕が少し目を離すと夏帆さんはもう机を拭き終わっていた。
「あら、すごいわね!夏帆ちゃんすごくきれいに拭いてくれたわね」
「すごいなあ、夏帆さんは」
僕はピカピカに拭かれている机とソファに座って読書をしている夏帆さんを見てすごいなあと思った。
「夏帆さん、どんな本読んでるの?」
僕は夏帆さんがどんな本を読んでいるのか気になって聞いてみた。夏帆さんの本は布で出来た綺麗な白色のブックカバーに包まれていて何を読んでいるかわからなかった。
「あーこれ?これはねえ~、、、」
夏帆さんは少し言うのをためらっていた。僕が言うのを待っているとどんどん夏帆さんが口を開いた。
「内緒♡」
夏帆さんはそういうとすぐに本を自分のカバンにしまい、僕のほうに来た。
「そんなことより~、」
「な、なんですか?」
「一緒にゲームしない?」
「ゲームですか?」
「うん、ゲーム!ゲーム嫌い?」
「いえ、大好きです!」
「じゃあやろっか」
「はい!」
夏帆はカバンの中からゲーム機とゲームソフトを取り出した。
「これで勝負しようよ!」
夏帆は僕にゲームソフトを渡す。
「格闘ゲームかあ、懐かしいですね!」
「だろだろ!」
「けど、僕強いですよ?」
「望むところだ!」
「ママ、テレビ使うねー!」
「いいわよ」
数分後・・・
「また負けた~」
「あははっ!秋葉君は弱いなあ」
「夏帆さん強すぎですよ」
もうこれで何回負けたんだろ。っていうか夏帆さんといい彩希ねえといい、女の人ゲーム強すぎない?あっ、僕が弱いだけかな?もうわかんなくなってきた。
「うふふっ、夏帆ちゃんはゲーム好きなのかしら?」
「大好きです!」
「そう、秋葉も昔はこのゲームよくやっていたけどまさか勝っちゃうなんて」
「お姉さんもやります?」
「わ、私はゲームはそんなに得意じゃないからいいかなぁ」
ママはまだ夏帆さんのお姉さん呼びに慣れていないのか。けど慣れてなくて顔赤くしてるママも可愛いけど。
「残念だなあ~」
ママは顔を赤くしながら雑誌を読み始める。
ガチャ
「お風呂空いたわよ~」
お風呂上りの彩希ねえがリビングに入ってきた。
「じゃあ、次どっちが入る?」
「僕はどっちでもいいよ!」
「じゃあ秋葉君、私先にいいかな?」
「どうぞどうぞ!ごゆっくり」
「じゃあ秋葉君とお姉さん、先いただきます」
「はーいゆっくりしてくるといいわ」
夏帆はリビングから出ようとしたがドアノブを掴んだところで動きが止まった。
「あのー、お風呂どこですか?」
「あーそうだったわね、どこにあるかわからないわよね」
「はい」
夏帆は笑いながら返事をした。
「じゃあ、私が案内するわね」
「はい、お願いします」
そういうとママと夏帆さんはリビングから出て行ってしまった。
「彩希ねえ、お風呂気持ちよかった?」
「うん、最高よ!」
「僕もはやく入りたいなあ」
なぜ僕がこんなに楽しみにしているかというと、今日僕のお風呂には入浴剤が入っているからだ。入浴剤を入れていない状態のお風呂も好きだが、入浴剤の入ったお風呂は特に好きだ。
「今日は何の匂い?」
「今日は森の香りよ!」
「森の香りってどんな匂い!?」
「そうね、気分は森林浴!ってとこかしらね」
「あーっ!聞いたらもっと楽しみになってきた!」
森林浴かぁ。昔家族旅行で森林浴に入ったことがあったけどその時はすごい気持ちよくて、お風呂で寝ちゃいそうになったなあ。あの感覚までとはならないと思うけど、あれに近い感覚になれるのならもうそれだけで十分だ。
ガチャ
ママが夏帆さんを脱衣所まで連れて行って帰ってきた。ママは少し顔が赤かった。そんなにお姉さんって言われるのが恥ずかしいのかな?
「あっ、そういえば今日夏帆ちゃんはどこで寝るのかしら?」
ママは思い出したように言った。
「あー、今日は私と一緒に私のベッドで寝ることにしたのよ」
「そうなの、けど狭くな、」
「ぜんっぜん!狭くてもいいから!」
「そ、そう」
ママもこの迫力にはびっくりするよなあ。あんなに迫ってこられたら僕だったら泣く。自身がある。けど、逆に怖すぎて泣くこともできなくなりそうだけど。
「秋、あんたなんか変なこと考えてる?」
「い、いやぁ何も、、、」
「そう」
彩希ねえはそういうと部屋の片づけに行った。
「そういえばママ、まだ顔が赤いけど、」
そういうとママはびくっ、と肩が上がった。
「そんなにお姉さんって言われるの恥ずかしいの?」
これを聞くとなぜかママは少し安心していた。
「そ、そうなのよ!お姉さんだなんて言われるのなんてもうないから、、」
なんでそんなに焦っているんだろ。なんか隠してるのかな。けど、ママの隠し事って今までにないから、ないと思うけど。いや、待てよ。今まで隠し事がなかったんじゃなくて隠し事はあったけど僕が気づいていなかっただけとかもあるのかな。
「ママ?」
「な、なーに、秋葉」
「何か僕に隠し事してる?」
そういうとママは目を泳がせ始めた。
「な、なにもないわよ?」
わかりやすっ!ママどんだけ嘘つくの下手なんだよ。
「ママ、バレバレだよ」
僕は少しあきれたように言った。
「べ、べちゅにママは秋葉に言えないようなこと知ってるとかそんなことないわよ?」
いや、焦りすぎて噛んでるし。
「ママ、観念してよ」
「ママは絶対に言えません!」
ママは自分の口の前に両方の人差し指でバッテンを作った。ママいちいち可愛いな。
「ならママ、これだけは教えて」
「ん?」
「もしかして、、、」
ママはごくりと息をのむ。
「もしかして?」
「もしかしてママ、今体調悪い?」
「え?」
ママは拍子抜けした顔をしていた。
「いや、もしかして隠し事ってそれかなあって」
「違うわよ!」
「ほんと?」
「ほんとよ!」
「僕たちに心配かけたくなくてそう言ってるだけじゃ」
「違うわよ!顔が赤いのはお姉さんって言われるのが慣れてないだけだから心配しないで」
「そう?ならいいけど」
「そうよ、ほらママ元気でしょ?」
「うん、、元気」
「でしょ!」
「うん」
なんだ、勘違いか。けど、何を隠しているのか気になるなあ。そんなことを思っているとママは僕に抱きついてきた。
「秋葉、心配してくれてありがと、けどママは元気だから安心しなさい」
「うん」
さっきの慌てているママとは全然違って、もういつものママに戻っていた。っていうよりママのおっぱいの感触が服越しにも伝わってくる。ママのおっぱいは柔らかくてマシュマロみたいだ。このまま抱きしめられてたら勃ってきそうだ。僕は、勃ってくる前に急いで手を打った。
「ママ、おしっこ漏れそう!」
「あらあら、ごめんね!すぐに行ってきなさい」
「うん!」
僕はそういうと半勃起している僕のペニスを抑えながらダッシュでトイレに駆け込んだ。
・成瀬家午後19時 リビング
ガチャ
夏帆がお風呂から出てきた。
「秋葉君とお姉さん、お風呂空きましたよ!」
「ママ先に入る?」
「いいわよ、ママは最後にいただくわ」
「そっか、じゃあ僕先に入ってきちゃうね!」
そういうと僕はリビングを出て脱衣所に向かった。
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