世界最初の大恐慌のきっかけ


 世界最初の経済の中心となった場所は、オランダのアムステルダム。

 十七世紀、アムステルダムではある品物の取引が盛んであった。

 その品物の収集家の一人が、その品物の新種のために、チーズ五百キロ・牛四頭・豚八頭・羊十二頭・ベッド一つ・衣装一そろいを払うというほどに、非常に高価で盛んな取り引きがおこなわれていた。


 しかし、一六三七年。


 その品物の値段が暴落し、世界経済に大きな打撃を与えた。世界初の大恐慌である。

 では、世界初の大恐慌を引き起こした品物とは、いったいなにか。

 砂糖? 否。では、石油? 否。

 世界初の大恐慌を引き起こした品物とは――それは、チューリップの球根。

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