The Treasure box
花邦イチ
眠れぬ夜
雨音絶える
静かな館
死神と駆け落ちした
かつての
フィアンセ
濡れそぼつ庭園
蝶の髪飾りは
土に帰る
妬む芍薬
夕焼けの緋
己が身に
ないのだから
朽ち果てるがいい
賢者も愚者もない
土塊のヒトガタよ
浮き世を笑って
満足か
価値など
誰が決め得よう
母の胎に
戻ったとて
我が事はわかるまい
宵闇
手招きをする
明けの明星
天の川に
閉じ込めよう
お前に
出る幕などない
角灯の影に
偲ぶ面影
古の文学
ここにまた開く
そうして
眠れぬ夜を
過ごすのだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます