第31話

「とにかく、守ってやるよ」


 ガルボックが、バルキエールに言った。返事は、無かった。四人は、馬に乗っていた。


「正直、危険が無いとは言えない」


 ガイアンが、言った。


「そこに指名しちまったのは、俺達だ…責任が、有る」


「大丈夫です」


 バルキエールの声は、しっかりしていた。


「そりゃ、自分達がおざなり兵士なのは判ってます…が、だからと言って、入植砦に応募したからには、危険に出会う事から逃れられるとは、考えていないです」


「悪かった」


 ガイアンの声には、真情がこもっていた。


「ただ、とは言っても戦いと成れば、こっちが手練れって事になるんでな、まずは俺達が、頑張る」


「自分は何を、すべきですか?」


「司令官から話、無かったか?」


「何も」


「その辺りのやり方も何とかした方が良いな、あの司令官は…まず、いつもの巡回路、案内してくれ。起きた事には気を回さず、いつも通りを」


「はい」


「何が起きたか判らない以上、出来る限りいつもの道筋、行く…ひょっとすると道そのものに何か、有るのかもしれない」


「デアリア方面ですか?」


「当然」


「済みません」


「謝らなくて、良い…一緒に、危険に立ち向かうんだ。仲間付き合いで、行こう」

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