第15話
入植砦ヤリジュアは、砦と呼ばれていたが、守りの柵はザリアの街より貧弱で、というより、建てる技術が劣っていたのが見て取れた。
大きな共用井戸を中心にして、二重の柵がざっくりと丸く全体を囲んでいた。門も、丸太作りだった。
入植者達の小屋はバラバラに散らばって建てられていたが、それでも空いた場所は多かった。
駐屯兵舎だけが石造りの、館と呼べそうな物だった。
周囲に開かれた畑は、ただ、土地が痩せているのが見て取れた。狩りで生活する者も多そうだったが、とにかく全体、貧しさが漂っていた。
危険な未開地生活故の厳しさの中には、それ故の清冽さみたいな物も、感じられた。
とは言え、活気が有るとも言い難かった。「皆訳有り」バルキエールの言葉は、納得出来た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます