第8話

 バルキエールによれば、殺しの最初の二回は、一人先に行ってしまっていたのが、死体に成って転がっているのを後から来た仲間が発見し、三人目は、遅れていたのが全く追い付いて来ないので引き返した所、死んでいたという。

 悲鳴や物音は誰も、耳にしていない様である。

 死骸を発見し、又運んだ者達によれば傷口は、巨大な獣にいきなり引き裂かれた様だったらしい。ただ、最初の時は、言った様に事件自体兵士達の間にも、伏せられていた位であるから。そのままこっそり埋葬され、傷を見るどころでは無かった話である。

 二人目と三人目に関してはさすがに、そうもいかなかったがそれでも、傷を目にしたのはごく、限られた者達のみらしい。


「兵に対しても、そんな風じゃ…入植の皆さん達に対してはまだ、一切伏せられてるんだろうな」


「はい…」


「全部伏せられてるって事はつまり、全部知れ渡ってるって事だよな?」


 ガルボックが、口を挟んだ。


「はい…」

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