夏休みの思い出

 寝落ちしていた時に書いていたエッセイをアップします。

 実家に帰ったので、夏休みの思い出について書いていたのに。寝ちゃったんですよね~。くそー。残念。


 私が小学校の頃、実家は商売をしていました。大正時代から続く雑貨屋を、父が今時の雑貨屋に改装した店です。小さい町でしたけれども、中心地にあったもので、お盆には「歩行者天国」が開催されて、とっても賑やかでした。


 もちろん、我が家もかき入れ時。ワゴンに福袋やクジを並べて、大人たちが売り子をしている間、私、妹、従妹たちは手伝いをしたり、遊び歩いたりしていました。


 商売をしていると、巷が休みを取っているときが繁忙期。夏休みといっても、家族で出かけるなんてことはめったにありませんでしたから。すごく楽しみにしていたイベントです。


 娘たちを見ていると、ラジオ体操は育成会任せで、やっても一週間くらい。今年は、会場になる校庭が土の入れ替え工事で使用できないから、中止という話です。なんだか寂しいな。


 私が小学校時代は、夏休み中、ラジオ体操でした。ラジオ体操に行く、ってなると早起きをするから、寝坊などしていられません。7月中は、ラジオ体操の後に、ドッチボールの練習があって、8月頭には、育成会対抗のドッチボール大会がありました。


 午前中は学校のプールが解放されていたので、連日のようにプール通い。午後は扇風機を回して、スイカを食べた後に、昼寝をするのが日課です。学校のプールがないときは、町営プールに友達と行って。帰りには、肉屋さんの50円コロッケを買って食べながら帰ってくるんです。おいしかったな。あれ。ただのコロッケなんですけど。プールで冷えたからだにはちょうどでした。


 夏休みに唯一出かける場所は母方の実家です。家から車で40分くらいのところだったので。墓参りしながら、泊りに行きました。こちらはこちらで従妹たちが集まるので、また楽しかったです。


 母方のばあちゃんの家にいくと、従兄弟たちと総勢6名で肝試しをします。これ、毎年恒例。女四人、男二人。そして、これも毎年恒例なんだけど、必ず泣くのはお兄ちゃんの子。女子たちにワイワイされて、泣くんですよね。案外、女子は乱暴ですから。


 古い農家の奥の部屋。昼間でも光の当たらないその部屋で肝試しをするんですが。従姉妹の1人が、かなりやんちゃでね。興奮してくると、物投げつけてくるもんだから。必ずその子にあたって大泣きです。ビート板ぶつけられたときは、さすがにかわいそうでしたね。そりゃ泣くわ。


 毎年決まって、「もう来年は来ない」といじけて帰っていくんだけど、また翌年も連れられてくるんですよ。その男の子の従妹。同じ年でしたね。先日、ばあちゃんの葬式で会ったら、立派なエンジニアになっていました。当時からは想像できないものです。


 ばあちゃんの家は、古い農家で、トイレと風呂が外にありました。トイレは水洗ではないですから。板の隙間から、汚物の匂いと、ハエがブンブンしているのが、怖かった。夜はトイレに行けなくて、いつも年下の従姉妹についてきてもらって。


 お風呂は薪でした。熱いし、深いし。これまた恐ろしかったですね。


 朝になると、坂の下にある湧水のところにスイカが一つ冷やされていて、それを食べさせてもらうのが楽しみでした。


 夏休みって、子供にとったら、天国みたいな時間だったような気がします。けれど、今時はねえ。娘たちを見ると、なんだか不憫に思えます。毎日毎日、吹奏楽の練習と、塾通い。たまにの休みは宿題やらなくちゃいけないでしょう? まあ、彼女たちからしたら、吹奏楽行くのが楽しみですから。いいんでしょうけど。


 コロナも落ち着いたので、どこか旅行でも、って思ってはみても、コロナで慣れっこになった出不精な感じは、なかなか打開できません。それに、これから娘たちの大会であちこちに行かなくちゃいけないので、それだけで交通費や宿泊費がかさみます。大会に行くのが旅行だと思ってくれたまえ。すまぬ。


 みなさんの夏休みはどうでしたか?



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