第91話
「レインボートラウトはほんとにレアなんだね。これだけ釣れたのにジュリアナさんが釣り上げた1匹しか釣れなかったね」
特にポイントを変えることなくルアーも変えない。
そんな感じで釣りをしていたのに2人で3時間ぐらいで30匹ぐらい魚が釣れた。しかも小さくても20cm前後のサイズ、モンスターキャットフィッシュに関してはメーター越えが当たり前。大きいものでは2m近いサイズのものも釣れた。
釣りとしてはかなり楽しめたけど。これだけ釣れてレインボートラウトは1匹だけなんだからかなりレアなんだろうなと思った。
但し、ルアーを変えたり工夫すれば釣れる確率が上がったりとかするかもしれないけど。
今日はそこまでやるつもりはない。
たまに釣りに来た時に試すぐらいでいいだろう。
「そうなんだよね。もしかしたらもう数匹釣れるかも?って期待してたから非常に残念だ」
ジュリアナさんはレインボートラウトが好物らしく凄い残念そうにしている。
「ちょっと思ったんだけどさ。この池に魔法とかで電気を流せば大漁なんじゃない?」
日本じゃ犯罪行為だけど、ここ地球じゃないしもっと言えばダンジョンの中だし。
たとえ池の生き物が全滅しても少しすれば復活すると思うし。
「それが、この池の魚釣り以外の方法で手に入れることが出来ないんだよ」
何故か釣り上げられるまでこの池の魚たちには無敵判定が付いているらしい。
ホント謎すぎる。
それに釣り以外の方法で魚を採ろうとすると
プレシオサウルスが現れて攻撃してくるらしい。
因みにプレシオサウルスみたいな恐竜系の魔物も出現して恐竜たちは偽龍種と言われている。
龍種ではないけど龍種にそっくりということだ。
そこは普通に恐竜種とかで良いんじゃないかな?とか思ったり思わなかったり。
偽龍種が龍種より弱いってわけでもないし。
「プレシオサウルスか〜。戦っても欲しい素材とかないし。今回はスルーで良いか」
あえてプレシオサウルスを呼び出すのも良いかな?とは思ったけど。
池のルールを破ったバツがプレシオサウルスが襲ってくるだけじゃなくて、池で魚が釣れなくなるとかもあったら嫌だし。
「予想以上に釣れたから、釣りは今日はここまでにして今から34階層を目指しても良いかな?」
釣りは釣れない時間も楽しいんだけど。今日はそれを楽しむことができなかったな。
まぁ、釣れたからこそこう言う気持ちになれるんだろうけど。
「いつもよりは遅い時間になっちゃうだろうけど、まぁ問題ない時間ではあるし良いけど。私の事ちゃんと守ってね?」
ジュリアナさんは戦闘職じゃなくて生産職だからね。
危ないくない様に守るのは当然。
「それじゃあ今から出発しよう」
片付けはストレージに仕舞うだけだからすぐに終わるし、すぐに魔法陣に向かって移動を始めた。
「そう言えば、鳴神ちゃんに乗って行けば早いんじゃないの?」
「今、飛んでる姿を見てもらえればわかると思うけど。結構体をうねうねさせながら飛んでるんだよね。だから乗ると高確率で酔うことになると思うけど…それでも乗ってみたい?」
小さくなって隣を飛びながら移動している鳴神をみながら説明する。
確かに酔うのを我慢すればかなりの時間短縮にはなるだけどね。
「確かに乗り物酔いは嫌だな〜。酔い止めポーション飲めば何とかならないかな?」
俗に言う酔い止めがこの世界にも存在するらしい。
確かに飲めばマシになるかも?
それに鳴神に乗って空を行くなら今日中に34階層どころか35階層まで行くことも可能だろう。
「そのポーションを飲んで鳴神に乗って進むか…但し、1番効果の高いものをちょうだい」
できることなら酔いを軽減してくれる、じゃなくて酔わないって方が助かるし。
「はいはい。じゃあこれね。飲んでから12時間は効果が持続するから。これは乗り物酔いを防止するものであって、乗り物酔いした後に飲んでも効果は一切ないから」
受け取ったポーションをすぐに飲み干す。
「それじゃあ、鳴神よろしく」
おまかせ下さいと鳴神から返事がかえってくる。
鳴神自身も俺を乗せて移動できるように人を乗せた時専用の飛び方を練習していたらしい。
全く上下しないという訳では無いけど、1度乗った時に比べたらかなり改善されている。
その代わり速度はかなり抑えなきゃいけないみたいだけど。
それでも歩くより何十倍も早いので、このまま進んでもらおう。
若干気持ち悪くなりはしたけど。34階層を抜けて35階層まで今日中にたどり着くことができた。
結構時間がかかりそうだなとか思っていたプルーム王国行きだけど、想像より早く実行出来そうだ。
時間かかりそうだな〜って思った原因はほとんど俺の脱線が原因なんだけどね……
その脱線のおかげでガネーシャ様と遭遇して、35階層の隠しギミックに挑戦出来るんだから。
脱線が意味なかった訳じゃないとは思ってるけど。
流石に今から龍種と戦闘を始めるつもりは無いので魔法陣に乗ってダンジョンから脱出した。
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