第42話

私の番がやってきた。

「マシロ・アーデムと申します。よろしくお願いします。」

魔法使いの方に挨拶をする。

「おぉ、貴女が大魔法使い様のお嬢様ですか。では、マシロ嬢、こちらに手を置いてください。」

言われた通りに魔力登録機に両手を置く。手触り的には大理石みたいな感じ。冷たくて、ツルツル。

「では、魔力を掌からゆっくり流して下さい。」

言われた通りに、魔力を流す。すると、手を置いた少し上辺りがほんのり光始めた。


少しずつ魔力を流す量を増やしていくと、99999という数字を表示した後、光は点滅した。

「なんということでしょうか…まだ全力ではない様子ですね…この魔道具ではこれ以上の計測はできません。記録上はこの数字になります。もう、魔力を止めて大丈夫ですよ。登録が完了しました。」

魔力を止め、ぺこりとお辞儀をすると、席に戻った。




全員の魔力登録が終わり、小休憩を挟んだ後、基礎魔法学の授業が始まる。

まずは基礎の復習から行い、その後魔力登録の話を聞く。


「魔力登録と言うものは、個人の魔力を登録することにより、アカデミーを卒業した後、どれだけ魔力があり、どんな仕事ができるか? その仕事で魔力切れを起こしたりしないか? など、いろんなことが分かり、一人一人が無理のない範囲で仕事をこなせるようにすることが出来るのです。」

なるほど。それなら、いざ仕事をしてみたら魔力が全く足りず命を落としたり、怪我をしたりということが減る。


「では次に、魔力量のお話しをしましょう。人は量に差はありますが、基本的に魔力をもっています。少ない人も適正により、生活を豊かにできます。アカデミーに入学するには、複数の適正があったり、魔力量が5000以上でなければなりません。登録を行わずに魔力量だけを計測する手段がありますが、今日は割愛しますね。」

基準が5000とすれば、私の99999はほんとにイレギュラーな数字なんだろう。しかもそれ以上の測定が不可能だった為、正確な数値は分からない。


「さぁ、では説明はここまでにして、『ステータス』の魔法の練習をしましょう。この魔法は魔力登録を終えた人のみ使える魔法です。単体で使うと他人には見えません。複数の魔法…光魔法や空間魔法の応用で他人に見せることもできますが、それは応用魔法実技で習います。…さあ、『ステータス』と、声に魔力を乗せて唱えて見てください。



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いつも読んでくださり、ありがとうございます。体調が優れず、不定期更新になっています。

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