第339話:魔物狩り
いきなり明日、魔物狩りに行くと言っても。みんなも暇じゃないことは解っている。
だからロナウディア王国の諜報部と魔法省に勤めているミリアとノエルについては、エリクに『
『
エリスは公爵としての仕事と、マリアーノ商会の仕事。ソフィアも公爵の仕事と、ロナウディア王国の公共工事の仕事があるけど。
「1日くらい問題ないわ。そのために人材を育てているから」
「そうよ。たまにはみんなで出掛けるのも良いわね」
ジェシカは『白銀の翼』のメンバー全員で参加するから問題ない。ということで、俺たちは魔物狩りに出掛けることにした。
場所は目星がついている。俺もギルモア大陸に来るようになってから、結構時間が経っているからな。時間があるときに、高速移動でギルモア大陸中の魔物の生息場所を探しておいた。
「おい。アリウス、てめえ。ここって……まさか、ガルドリア高原じゃねえだろうな?」
俺が戦っているところを見たいって言うから。シンディー、ケイナ、ギジェットの3人も連れて来たけど。周りの景色からシンディーには、ここがどこか解ったようだな。
「ああ。そうだけど」
「そうだけど、じゃねえぞ! アリウス、てめえはガルドリア高原がどういう場所か、解っていやがるのか?」
シンディーが激昂して。ケイナとギジェットが青い顔をしている。
「おい……冗談じゃねえんだよな?」
「アリウスが言うんだから、間違いないんだろうね」
「シンディーたちが、これだけ慌てているってことは。相当ヤバい魔物がいるみたいね」
「ああ。面白くなって来たぜ」
ジェシカとアランが不敵な浮かべたとき。
地鳴りのような轟音とともに土煙を上げて。巨大な魔物がこっちに向かって来るのが見える。
俺の『
体長30m級の八つの目がある黒い狼。この前仕留めた変異種の
「『
「なんだよ、シンディー。みんなのことを心配してくれるのか。おまえも意外と良い奴だな」
「おい、アリウス。お気楽なことを言っている場合じゃねえだろうが!」
『地獄の狼王』の巨体は大地を駆け抜けて、瞬く間に迫って来る。
シンディー、ケイナ、ギジェットの3人は覚悟を決めて、武器を構える。
「アリウス。まずは私たちに任せて貰うわよ」
だけど先に仕掛けたのは、ジェシカたち『白銀の翼』だ。
「あのサイズを正面から相手にするのは、ちょっと厳しそうですが」
『白銀の翼』の新メンバー。身長150cmの小柄な女子シャイン・オルタリアは、自分の身長よりも長いシールドを手にして。空中に浮かび上がると、スキルを発動して巨大な光の壁を出現させる。
シャインが発動したのは、シールド用最上位スキル『
『地獄の狼王』が光の壁に激突する。空中だから抑えは効かないけど、光の壁が破壊されることはなく。シャインは『地獄の狼王』の力を上手く逃がしながら、完全にターゲットを取っている。シャインの奴、やるじゃないか。
「おい、アリウス。こいつはどういうことだ?」
シンディーが文句を言っているのは、俺が周囲に『
「まずはジェシカたちの戦いの邪魔にならないようにしたんだけど。おまえたちも戦いたいなら。
俺たちが喋っているうちに。『白銀の翼』の
「アランは左から。マルシアも解っているわね!」
「おうよ!」
「うん、当然!」
ジェシカとアランが、魔力を収束させた剣を左右から叩き込んで。『
ジェシカ、アラン、マルシアの3人はスキルを使わないで。魔力を集束させることで攻撃の威力を上げている。
スキルは一定の型に嵌った形で発動するから。魔力操作を突き詰めれば、スキルを使わないで魔力を直接操作した方が効率が良い。
俺もSS級冒険者になった頃から、物理攻撃系のスキルなんて、ほとんど使わなくなったからな。
「ジェシカの
シンディーがジェシカたちの戦いに見入っている。
『地獄の狼王』は1,500レベル超えの魔物だけど。デカいだけあって的が大きいし。所詮は1体だからな。ジェシカたち『白銀の翼』なら普通に勝てるだろう。
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