第244話

 上級ダンジョンの受けた依頼を終わらせてから一週間が経った。


 この一週間の間、朝から晩までダンジョンの人通りの少ない場所で結界を張り、ゴーレム操作のスキルの取得の為に修行をしていた。


 だけど、そのお陰でゴーレム操作のスキルを五日目で取得することが出来た。


 そして五日目にゴーレム操作スキルの取得が出来たことでスキルをより使えるようにする為にスキルのレベルを上げることになった。


 ゴーレム操作スキルで操るゴーレムは魔力糸や土属性魔法を使い操るよりも簡単に操作することが出来るスキルだった。


 最初にゴーレムコアに魔力を込めて、操作する者とゴーレムコアを見えない線で繋げると、ゴーレムコアに意識を向けるだけで魔力を送ることも操作することも出来るようになった。


 それから六日目と七日目の修行はナビィが操るゴーレムとのゴーレムでの対戦を行なう修行を行なった。


 ナビィが操るゴーレムの分の魔力が増えて魔力の消費が激しくなり、魔力回復ポーションをそれなりの数を飲むことになってしまったが効率が良かったらしく、ゴーレム操作のスキルレベルがよく上がった。


 ハルトがそんな一週間を過ごしている間、ヒスイとプルン、コッコロがなにをしていたのかと言うと、三匹も修行を行なっていた。


 ヒスイは自身の攻撃手段である魔法スキルと幾つかのスキルのレベル上げを、プルンは自身の剣術スキルを上げる為に剣の修行を、コッコロは新しく耐性スキルの取得を行なっていた。


 そんな一週間を過ごしたハルトたちが今なにをしているのかというと、上級ダンジョンの攻略をする為にダンジョン探索を行なっている。


 何故ならBランク冒険者になる為の試験の為だ。前回の上級ダンジョンでこなして来た数多くの依頼によりBランク試験を受けられるようになったからだ。


 Bランク試験の内容は四十階層のボスであるデススコーピオンの尻尾の針の入手が今回の試験だ。


 デススコーピオンの死毒針を手に入れる方法はデススコーピオンを倒して解体するしかない。


 それ以外の方法でデススコーピオンの死毒針を手に入れても冒険者ギルドの受け付けで真偽の結晶を使用して分かるようにしていると試験の説明された。


 四十階層を目指してハルトたちはダンジョンの奥に向かって進んで行く。


 そして遭遇するモンスターをハルトが操るゴーレムにプルンとコッコロの得意では無い魔法で倒しスキル上げをする。


 遭遇するモンスターたちの攻撃を防ぐ盾の役目を負っているゴーレムがボロボロになるがゴーレムを盾にしている為、近接戦になることが少なくなった。


 だが、ゴーレムの修復に時間や魔力が取られてしまうことが多くもあった。


 その際でダンジョン探索の歩みが遅かったがハルトたちは三日目の夕方には二十一階層までたどり着けた。


 そして、ここからがハルトたちに取ってのダンジョン探索の本番になる。


 四日目の朝、朝食を食べ終わり食休みまでしたハルトたちはゴーレムを先頭に探索を始めた。


 『ハルト、ボムコッコの卵の爆発が当たればゴーレムは一撃で破壊されると思ってください。』


 「それなら卵だけは俺が防がないと駄目な感じか?」


 『そうです。ゴーレムコアがぶじなら良いのですが土のゴーレムだと卵の爆発には耐えられないでしょうからね。』


 「素材を変えないと駄目そうだもんな。なら、この周囲にある大きな岩を使えないか?」


 二十一階層にある周囲の大小様々ある岩を見ながらナビィに聞く。


 『岩でもあの爆発はキツいでしようね。数発は耐えられても壊れますよ。それに岩を素材にしたゴーレムは今のハルトには荷が重いです。ゴーレム操作のスキルレベルが足りていません。せめて10レベルは無いと動かすのも大変ですよ。』


 「そうか、今の段階でもゴーレムの操作は大変だしな。」


 『ハルト、どうやらモンスターが接近しています。』


 

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