第61話
ランク試験が終わり冒険者ギルドに戻るとライアンはギルド受け付けの奥に戻った
「では、ハルトさん。冒険者ギルドカードを渡してください」
「分かりました」
首から掛けている冒険者ギルドカードをセシリアに渡すとそれを持って何かの魔道具を使い操作している
「これでハルトさんもDランク冒険者です。見習いから抜け出しましたね。Dランクの冒険者には資料室の使用料がなくなりますから積極的に利用してください」
「分かりました」
「Cランクに上がるには一度は盗賊の討伐をしてもらわないといけませんから注意しておいてくださいね」
「はい」
だいたいの説明が終わりランクが書き変わったギルドカードを首に下げて冒険者ギルドを出て大熊亭に帰る
大熊亭の受け付けでアイラに部屋の鍵を貰うと二階にある部屋に戻る。ヒスイをテーブルに下ろして俺も椅子に座る
「んーはぁ、疲れたな」
『お疲れさまです、ハルト』
「それにしてもあれでBランクの冒険者なんだな。俺の攻撃もヒスイの攻撃も効いてなかった」
『相手は今のハルトからしたらかなりの格上ですからね。人類相手だったらただレベルが高いだけなら貴族などが弱らせたモンスターを倒してのレベル上げなどをして今のハルトよりも高いレベルの者もいますがそういった者なら今のハルトとヒスイの攻撃を与える事が出来ますが鍛え上げられた相手ならかなり危険ですよ』
「でもあれくらい強くならないと世界樹の迷宮に行っても攻略出来ないだろ」
『いえ、もっと強くならないと攻略は無理ですね。まあ、ハルトなら先ほどの試験官レベルなら二、三年もあれば越えられますよ』
「そうか、なら頑張らないとな」
『そうですね。ハルトは大勢での攻略はしない様ですからモンスターから見つからない様にするスキルの取得もしないといけないですね』
「その時は教えてくれ」
『分かりました』
「朝の続きをやろうかな」
使用していた調合道具を取り出して治癒の葉をすり潰してペースト状にしていく。全ての治癒の葉を回復ポーションにする下処理を終えると昨日採取した植物の事をナビィに聞いてみた
「ポーションの下処理がやっと終わったけどそういえば昨日採取した葉っぱや花なんかの植物は何に使うんだ?」
『それはですね。薬の材料になりますね。今回、採取した植物は乾燥させて薬湯にしたりすり潰して粉薬にしたりします』
「そうなのか。今、持っているのならどんな薬になるんだ?」
『腫れ、捻挫、打撲、腹痛、頭痛、咳、風邪が今ある植物の効能ですね。今ある植物は魔法で種にして魔力が豊富なダンジョンや魔境で育てればランクが高くなり効能も高い薬が作れますからね。今は種にして数を増やしていきましょう』
「分かったけど薬師ギルドで購入するのはどうなんだ?」
『それも良いですね。乾燥させている植物でも魔法で種に出来ますから薬師ギルドで今持っていない植物の購入もありですね』
「明日、薬師ギルドでポーションを製作する時にでも購入しようか」
『そうですね。そうしてください』
ナビィと念話で話し込んでいると三の鐘が外から聞こえてきた。昼食を食べに行く為に一階の食堂に向かう為に調合道具を浄化魔法で綺麗にしてアイテムボックスに収納していると部屋の扉が叩かれた
「ハルトお兄ちゃん!いるのー!」
「居るよ、今開けるからちょっと待って」
浄化魔法で手や服に付いた草の匂いを取ってから部屋の扉を開けると扉の先にサーヤがいた
「どうしたんだ、サーヤちゃん」
「お昼いっしょに食べようと思って!」
「そうか、俺も今から行こうと思っていたから行こうか」
「うん!」
「ヒスイ、連れてくるからちょっと待ってて」
「わかったよ!」
部屋に戻りテーブルに居るヒスイを抱えるとサーヤの元に戻る
「じゃあ行こうか」
「うん!お母さんにもう頼んでいるから早く行こう!」
階段を降りて食堂に向かうとテーブルには昼食が用意されていた
「あの席なのか、サーヤちゃん」
「うん、そうだよ!ハルトお兄ちゃん」
「昼食の代金はどれくらいなんだ。サーヤちゃんは分かる?」
「わたしに魔法の使い方を教えて貰えているからこれからは昼食はタダだよ。宿代も安くするって!」
「そうなのか?」
「うん!そうなの!」
魔法の教育代って事なのか。テーブルに着くと昼食の大盛りクリームパスタを食べ始める。口に入れパスタを食べている時に薬草の茎や葉脈をヒスイに上げる
ナビィの食レポの様な感想を聞きながら昼食を食べ終わると昼食の食器を下げながらサーヤと二人で部屋に戻り魔法の練習をするのか聞くと昼時は忙しくなるからお手伝いをするそうでその後に俺の泊まっている部屋に向かう様だ
「じゃあお手伝い頑張ってね」
「うん!頑張るよ!」
部屋に戻るとヒスイをテーブルに下ろしてサーヤが魔法の練習をしに来るまでの間光魔法の取得をしようと思い世界樹の棒を使いやすい形に変形させて魔法の練習を始める
サーヤが部屋の扉を叩く音が聞こえてくるまで光属性の魔力を使用していた。扉を開けるとサーヤを部屋の中に入れてサーヤの魔法の練習を始める
「さて、じゃあ魔力を放出するから手を出して」
「はい!」
出したサーヤの手のひらに魔力を放出する。何の魔力にも変換しないで多くの魔力を放出してサーヤにわかる様に魔力を使っていく
放出を終えるとサーヤが自分の魔力を感知する為の練習を始める。サーヤが目を瞑って自身の魔力を見つけようとしている間に俺も今さっき使った魔力を回復する為に瞑想をする
夕食の時間までサーヤは魔力感知の俺はサーヤとヒスイの魔力や気配を感じる練習をする。外から鐘の音が鳴って夕食の時間が来たので集中していたサーヤの意識を戻すとヒスイを連れて夕食に向かう
「夕食に行くよ。サーヤちゃん」
「今日の練習は終わりだね。また分からなかったよ」
「分かる様になるには時間が掛かるよ」
食堂に着くと飲み物を入れている容器を用意していたアイラに夕食を頼むと麦茶をコップに入れて椅子に座る
夕食が来るまでの間ヒスイの夕食の薬草の茎を上げながらまだ客がいない食堂でサーヤの手に魔力を放出してあげた
夕食が来るとサーヤに声を掛けて夕食を食べ始めていく
「ジューシーで美味しいな」
『そうですね。焼くよりもこちらの方が私は好きです』
夕食のウサギのから揚げやシャキシャキのキャベツを食べ終えると食器を下げてお手伝いをするサーヤと別れると部屋に戻る
部屋に着きテーブルにヒスイを下ろすとヒスイはすぐにテーブルに置かれている桶の中に入り水魔法の練習を始めた。俺も光魔法の取得の為に練習を始める
それからしばらく経つとやっとイメージ通りの光の玉が出来た。明かりのつけていない部屋が光魔法で作られた玉から放たれると部屋中が明るくなった
「ようやく取得できたな」
『それでも全然早いですよ。普通の才能なら早くて一年遅いと五年くらい掛かりますからね』
「じゃあ瞑想して魔力を回復するか」
『ハルト、瞑想中に鐘が鳴ると思いますよ。どうしますか?』
「そうか。うーん……なら身体を拭いて寝支度をするかな」
瞑想をするのをやめて身体を拭く準備を始める。着替えの用意が終わり服を脱いでいく。脱ぎ終わり布をヒスイが出してくれたお湯に浸けて身体を拭いていく
身体を拭き終わると浄化魔法でお湯と布を綺麗にすると寝る準備の為に身体の中を綺麗にするイメージで浄化魔法を使い綺麗にしてその後健康魔法を使った。健康魔法を使い健康魔法で出来ることを全てナビィにサポートをして貰いながら使うとベットに座りステータスボードでステータスを確認する
ステータス
名前 ハルト
年齢 15
レベル 13
ジョブ 【棒術士】【見習い魔法使い】
才能
体力 A
魔力量 A
力 A
耐久 A
器用 A
敏捷 A
魔力 A
精神 A
恩恵スキル
【ナビゲーション】【健康魔法レベル4】【ジョブ増加レベル13】
ジョブスキル
棒術士【棒装備時攻撃力小上昇】【棒術スキル経験値小上昇】【能力値力小上昇】【能力値器用小上昇】見習い魔法使い【魔力消費微軽減】【魔力系スキル経験値微上昇】【能力値魔力量微上昇】【能力値魔力微上昇】
変化スキル
【アイテムボックス】【棒術】【精神耐性】
ノーマルスキル
【棒術レベル16】【投擲レベル6】【風魔法レベル 1】【火魔法レベル 2】【土魔法レベル9】【水魔法レベル7】【光魔法レベル1】【木魔法レベル11】【生命魔法レベル9】【死魔法レベル6】【聖魔法レベル5】【浄化魔法レベル7】【契約レベル8】【魔力感知レベル14】【魔力操作レベル14】【魔力身体活性レベル9】【アイテムボックスレベル8】【気配感知レベル9】【呼吸レベル12】【歩行レベル11】【回避レベル6】【夜目レベル5】【瞑想レベル10】【集中レベル12】【解体レベル8】【採取レベル8】【調合レベル3】【素材加工レベル7】【魔力回復量増加レベル11】【精神耐性レベル9】
名前 ヒスイ
年齢 2
レベル 12
ジョブ 【見習い粘体士】
才能
体力 B
魔力量 C
力 E
耐久 A
器用 C
敏捷 F
魔力 B
精神 D
恩恵スキル
ジョブスキル
【粘体攻撃時攻撃力微上昇】【粘体術スキル経験値微上昇】【能力値耐久微上昇】【能力値器用微上昇】
変化スキル
ノーマルスキル
【粘体術レベル10】【火魔法レベル 1】【水魔法レベル9】【生命魔法レベル7】【魔力感知レベル9】【魔力操作レベル9】【吸収レベル9】【酸生成レベル9】【細胞生成レベル8】【魔力回復量増加レベル6】【打撃耐性レベル5】
【光魔法】
効果
・スキルレベル相当の光魔法を使う事が出来る
ステータスの確認が終わりベットに横になると外から鐘の音が聞こえてきた
「ヒスイも火魔法を取得出来たみたいだな」
『そうみたいですね。普通ならスライムは火魔法や氷魔法なんかは取得出来ずらいのですけどハルトとの契約のおかげですかね』
「へぇースライムって取得しにくいのか」
『はい、弱点になる魔法ですからね』
ナビィと念話で話しながらベットで横になりながら話していると眠気がきた
「じゃあおやすみナビィ、ヒスイ」
『おやすみなさい、ハルト』
鐘の音を聞きながら目を瞑り眠りに入った
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