世界樹を巡る旅

甲羅に籠る亀

第1話

 「起きてください」


 揺すられながら耳元で声をかけられ目を擦りながら起き上がり声の方を見るとそこには目を覚ます様な美しく神々しい金色の髪の女の人が直ぐそばにいた


 「お、おはようございます」


 いきなりのことで驚き焦って挨拶をしてしまった。その女性は立ち上がりその様子を見ながら女性の容姿を改めて確認すると金色の髪に垂れ目の翡翠色の瞳で優しそうな顔をしていて身体のラインがよく分かる薄いドレスを着ていてよくわかり胸がかなり大きくお腹が細くお尻が大きいのを見て失礼だろうと思いながらも見入ってしまう


 「はい、おはようございます。やっと起きましたね。貴方にはこれからの事を話したいと思います落ち着いて聞いてください」


 「は、はい」


 女性に言われ落ち着こうととりあえず深呼吸をして落ち着かせる


 「……すぅ……はぁ……大丈夫です」


 「そうですかなら話しますね。私は貴方の世界とは別の世界の生命と死、輪廻転生を司る神のリフラスといいます。それで平原ハルトさん貴方は亡くなってしまいました。そしてこれから私は貴方からしたら異世界になるラフルトに転生して貰おうと思います」


 この女性が女神様だというのは人じゃない様な神々しさがあるから納得するが俺がなんで死んだのかが分からず死んだ実感もない事を疑問に思っていると女神様のリフラス様が答えてくれた


 「ハルトさんから死んだ時の記憶を消しておきましたのでありませんよ。亡くなった時の記憶があるとラフルトでの活動に支障がある可能性が高いですから」


 考えていた事を読まれた事に驚きながらもどんな死に方なのか聞いてみた

 

 「そんな酷い死に方をしたんですか」


 「はい、突っ込んできたトラックと障害物に挟まれて潰れてしまいましたから」

 

 リフラス様が言った事を想像して気持ち悪くなりながらまだある疑問をリフラス様に聞く


 「なんで俺が転生するんですか」


 「実は他にも転生する人達がいます。地球の神に頼み勇者になれる才能がある亡くなる者達をラフルトに転生する為に探していた所ちょうどハルトさんが亡くなった交通事故が起こることを知りその事故で亡くなる者達が勇者になれるくらいの才能がある事からその者達の魂を回収しました。ですが本来はハルトさんはそこで交通事故に遭う事なくそのまま生きていく筈でしたが何故か事故に遭って亡くなりました」


 「じゃあなんで事故に遭って俺は死んだんですか」


 「稀にそういった事があるそうです。今回の事も私の所為で起こったことなのかと思い地球の神に聞いてみた所そういった起こる未来で何故か助かり生き残ったり逆に生き残る筈が亡くなったりといった事が起こるそうです。貴方はそういったイレギュラーで亡くなりました」


 「そうだったんですか。じゃあなんで俺も転生するんですか」


 「そのまま地球の神は地球の輪廻にハルトさんを送るより本来なら生きられたのだからとハルトさんもラフルトに転生させられないかとおっしゃり私もハルトさんが亡くなった事が実は私のせいで起こった可能性もあるのでは無いのかと思いそれでハルトさんを転生する事になりました。今なら地球の輪廻に戻る事もできますラフルトに転生しますか」


 「はい。死にたくないので転生したいです。よろしくお願いします」


 「わかりました。それでこれからハルトさんには転生する世界であるラフルトがどんな所なのかを説明しますね。ハルトさんに分かりやすく例えるとラフルトは剣と魔法のファンタジーの世界です。ステータスがあったりモンスターが居たりスキルやジョブがあったりダンジョンなんかもあります。そこでハルトさんには転生するにあたり私が特別なスキルをハルトさんに渡します。ですが渡せる限界がありますのであまり多くのスキルや強力過ぎるスキルは渡せませんのでよく考えてください」


 ファンタジーの世界なのかまあ勇者を転生させると言っていたしなでもそれなら生きるのにモンスターと戦わないといけなさそうだよな。どうしようかでも転生って事は赤ちゃんからやり直すことになるんだよな赤ちゃんの演技をしないといけないのか?


 「転生って赤ちゃんからやり直すんですか?」


 「はい、そうですが五歳の頃に記憶が戻るので大丈夫ですよ」


 「うーん……あのラフルトには成人になる歳では行けないのですか」


 「できますよ。ですが身体を作るのに時間が掛かりますので他の人達よりも転生が送れますよ」


 別にそれはいいけどそういえば俺にも勇者みたいやらないといけない事はあるのか


 「それでいいですけど俺にも勇者を転生させないといけない様なやらなければいけない事があるんですか?」


 「いえ、ありませんよ。ですが私個人にはやって欲しい事があります。それもやってくれるならやって欲しいくらいですからもしやれたらやってください」


 個人的にやって欲しい事って事は勇者達を転生させてやって貰う事とは違うって事だよな


 「それって何なんですか?」


 「ある世界樹の迷宮を攻略して欲しいのです」

 

 世界樹ってゲームによく出てくるあれかな


 「それって難しいのですか?」


 「はい、今まで一度もその世界樹の迷宮は攻略された事は無いのです。ですので攻略出来そうな貴方に」


 「それなら勇者達に世界樹の攻略をお願いしたらいいんじゃないんですか」


 「いえ、勇者達にはやらなければいけない事がありますからそれに私は勇者達には会っていないので」


 連れてきたのはリフラス様だよななんで会ってないんだ?


 「それはですね。魂が眠っている内にそれぞれの大神に魂を渡してしまいましたので」


 疑問を口に出す前に答えてくれたのはいいが大神ってなんだ?


 「リフラス様も大神なのですか」


 「はい、そうですよ。私の他に火と戦いの神ファル、風と天候の神サールト、水と知恵の神ルター、土と恵の神ソキル、光と法の神ホルム、闇と安寧の神ムール、神獣サイノス、神魚ニターナ、神龍アルザートの大神がいます。他にも私達の下に数多の神がいますがその大神の内のファル、サールト、ルター、ソキル、ホルム、ムールに勇者達の魂渡し説明をしているでしょう」


 そもそも勇者達を何で転生させたんだ


 「それはですね。勇者達には今現在人魔大陸と呼ばれている大陸にある大神殿に出来た迷宮を攻略して貰う為です。その大神殿に出来た迷宮は私達の世界とは別の世界の邪神がこの世界を侵略する為に作り出した尖兵達の拠点であり入り口なのです」


 「大神殿って呼ばれるくらいなら神様達が干渉出来たんじゃないんですか」


 「はい、できる筈でしたが今現在の大神殿は無人な上に邪神の尖兵が私達神が干渉できない様にしてから出したので出来ませんでした」


 「大神殿を守る人とかいなかったんですか」


 「昔は居たんですが昔世界樹の迷宮がスタンピードを起こし今は人魔大陸の十分の一しか人類は取り戻していません」


 やばいなこれ人類滅亡するんじゃないかと思っているとリフラス様は慌てて他にも大陸がある事を教えてくれた


 「だ、大丈夫ですよハルトさんが転生するのは人大陸ですからそこまでは厳しくありません」


 「そうなんですか。でも俺も人魔大陸に行き大神殿の迷宮の攻略や邪神の尖兵と戦わないといけなかったりしませんか」


 「し、しますね。で、でも人大陸にいれば戦わなくてもいいかも知れませんよ」


 リフラス様の様子が怪しいがひとまずこの事は置いといて世界樹の迷宮の事を聞く事にした


 「世界樹の迷宮の攻略ってどれくらい難しいんですか」


 「かなり難しいですよ私が攻略して欲しい世界樹の迷宮は」


 「それって大神殿の迷宮攻略より難しいんじゃないですよね」


 「そ、そんなわけないですよ。大丈夫ですよハルトさんが頑張れば攻略できますから頑張ってください。さあ早くどんなスキルにするか考えてください」

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