隣の席の金髪ギャルでモデルな美少女が俺に話しかけてくるんだが
コーラ
第1話 隣の席の坂本さん
休み時間。クラスの連中は仲のいい人同士で集まってガヤガヤと騒いでいる。
俺はそんなクラスの連中を尻目に本を読む。いつものことだ。
最初は1人だと寂しいとかそんなことを思っていたが、7月になりそんな思いも消え果てていた。
暫く本を読んでいるとクラスが騒がしくなった。
「みんなおはよー! エリナさんのご登場だぞ〜!」
クラスに入ってきたのは現役の高校生モデルとして活躍中の坂本エリナさんだ。
長く綺麗な金髪におよそ高校生とは思えないスタイルの良さ、そして人形に整った顔。噂によると坂本さんはハーフらしい。
今日もモデルの仕事があったのだろうか?
エリナさんは仕事がある日は学校に遅く来たり、早く帰ったりしている。
彼女の登場にクラスがざわついた。
すぐに彼女の周りに人だかりができ彼女は一通りの挨拶を済ませ俺の隣の席へと座った。
彼女と俺はクラスメイトでお隣さんだ。俺が学園で目立った事といえば彼女の横の席になった時に全員から睨まれた事くらいだろう。
「よいしょっと。オタク君、おはよ!」
彼女は笑顔で挨拶してくれた。それがなんだか恥ずかしくて下を向いて小さく会釈で返した。
ちなみに彼女からは本ばかり読んでいるからという理由でオタク君と呼ばれているが悪い気はしない。
むしろこんな俺にも話しかけてくれるから嬉しい。
「むー、ダメだぞー? ちゃんと挨拶しないと……ほら、こっちを向いてエリナさんの真似してみなー」
そう言って無理やり顔を手で掴まれて強制的に坂本さんと見つめ合う形にされた。
「おはようございます!」
坂本さんの綺麗な顔が目の前にあることが恥ずかしくなって目線が外れてしまう。
だがなんとか声を絞り出しながらおはようございますと言った。
「声が小さいぞ〜? ……うん! 今決めた! これからは私に毎日挨拶をするように! わかったね?」
彼女はビシッと指を指しそう言った。
俺はそれに対して頷く。
「ん? オタク君今日も本を読んでたの? 今日はなんて本なの?」
と言って俺の持っていた本を取ろうとしたので俺は全力で本を隠した。
「なになに? そんなに隠すってことはやましい本なの? もしかしてエッチな本を持ってきてるの!?」
違う! とぶんぶんと首を横に振るが彼女は信じてくれない。
「見してみな、エリナさんはそんなことでオタク君を軽蔑しないからさー」
と言う坂本さんだが、声が笑っている。馬鹿にするつもり満々なんだろう。
「ほら、見せて! こちょこちょこちょ〜」
と言って脇の下をくすぐられて力が緩んでしまい、本を落としてしまった。
「ふっふっふ、カバーまでして本を隠すなんてオタク君も用意周到だね」
と言って坂本さんは本のカバーを外してしまった。
「なになに、猿も彼女にできる恋愛術って……猿にモテたいの?」
そんなわけない! っと首を横に振る。
「はははっ! そんなに必死に否定しなくても分かってるって! それにしてもオタク君も男の子だったんだねぇ」
こんな反応されるから嫌だったんだ。恥ずかしくて下を向いていると。
「ごめんごめん、少し馬鹿にしすぎちゃったね。お礼に……私が彼女になってあげようか」
と突然、最後の部分だけ耳元で囁かれてドキッとしてしまう。
「なんてね! 冗談だよ、本気にしたらだめだよ?」
顔を赤くしていると妖しい笑顔でそんなことを言われた。
ピーンポーンパーンポーンとそこで授業の鐘が鳴った。
「むぅ、良いところだったのに授業かー。また後でお喋りしようね、オタク君」
そう言って彼女は授業の準備を始めた。それを見て自分も焦りながら授業の準備を始めるのだった。
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