第286話ジュリアと祐の甘い夜②

私、ジュリアは、止まらなかった。(素肌で祐を感じたかった)

「祐が欲しいから、祐を抱く」(祐とデュオをした時から、実はそう思っていた)


思いを果たして、祐を胸で包み込む。


「祐は、可愛くて、強かった」(恥ずかしくない、うれしい、それが素直な思い)

身体全体が甘い感じ、祐をいつまでも抱いていたい。


そのまま、少し眠ってから、祐と一緒にポトフを食べる。

「どう?お口に合う?」(この質問のほうがドキドキする)


祐は、ボンヤリとした顔。(それが、艶めかしい)

「大丈夫、すごく美味しい」(白いなめらかな胸が上下している)


「たくさん食べてね」(栄養補給させないと、と思った)(パリの力を祐に与えたい)


祐は、黙って美しく食べる。(その口元も、悩ましい)(見ていて、また祐を欲しくなった)


少し話題を変えた。

「すごい雨、風も強いよ」

「あ・・・すごい雷も」


祐は、首を横に振った。

「帰るよ、まだアパートで仕上げる原稿がある」


私は祐に迫った。

「泊って、風邪引いたら困る」

「帰さない」

「というより、雷が怖いの」


祐は、じっと私を見て来た。

「雷がおさまるまで?」


「うん・・・ほら・・・また鳴った」(弟フィリップが亡くなった夜も、こんな酷い雷雨)

(それがトラウマになって、今でもそういう夜は眠れなくなるし、フィリップを思って涙が止まらなくなる)


私は、結局、祐に甘えた。

「怖いよ、祐」

「何とかしてよ」


次の瞬間。


停電になった。

窓の外も真っ暗。


「ジュリア」

私は、後ろから祐に抱き締められた。

くすぐったかった。

「祐・・・いたずらしたいの?」


祐は言い訳(それが可愛い)

「だって見えないよ、真っ暗で」

「ここらへんかなと思って」


雷が、また光った。

その光を利用して、私は祐を正面から、力まかせに抱いた。

「はい、また捕獲したよ」

「祐は、レスリングに弱いの?」


祐は、本当に苦しそうな顔。

「ジュリア、負けました」

「だから、ゆるめて」


「今夜、一緒にいてくれる?」

「約束するなら、ゆるめてあげる」


祐が「うん」と言ったので、再びベッドに。


停電は長く続いた。(雷も時々)


その後の祐と私は?

それは言えないかな・・・言うとしたら「愛」(ご想像にお任せします)

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