第284話祐君の部屋で打ち合わせ・・・
祐君の部屋には、女子が4人。(私、田中朱里、純子さん、真由美さん、春奈さん)
相当な女子会パワーと思うけれど、祐君は慣れてしまったようだ。(これに桜田愛奈さんが加わると、また雰囲気が違うかもしれない)
あまり表情を変えずに、全員合作の散らし寿司を食べている。
尚、この散らし寿司は、かの源氏物語の大家秋山康先生の奥様からのご指導とか。(実に恐れ多い!)
さて、そんなことより、今回の招集者は、風岡春奈さん。
散らし寿司を食べながら、司会。
春奈さん
「全員女子大生だけど、女子高生の制服を着るの?」
「それを広告とかに使うんでしょ?」
純子さん
「私、はまらないかも、特に胸」(祐君の前で?・・・でも、そうかも)
真由美さん
「私も、胸はアップしたからなあ」(そこで張り合う?)
私
「大丈夫です、着られます」(モデル出身は、体型コントロールを欠かさない)
春奈さん
「私は・・・ギリなんとか・・・」(そうだよね、まだ可愛い感がある)
ところが、祐君は、シビアだった。
「無理と思う、みんな」
「素直に女子大生とか、古代の服でいいよ」
「お肌も違うよ」(・・・そこまで言う?)
純子さん、真由美さんは下を向く。
私と春奈さんは、口を尖らせた。
私
「まだ、卒業して、一月、大丈夫」
春奈
「この間、着られたもん!」
祐君は、それでもシビア。
「嘘偽り、年齢詐称には、同意できない」(・・・耳が痛い)
「従妹の恵美に言おうかなと」(・・・生まれた日が実七日しか違わないのに?)
「恵美の後輩かな・・・16から17くらいにしたいの」
純子さん
「それは・・・意味あるの?」
真由美さんが、気づいた。
「お肌ね・・・それは負けるから・・・仕方ない」
「夕日を受けて古今を読む少女・・・そのくらいの年齢の肌は光る」
「悔しいけれど」
祐君が、少々慌てた。
「みんなには、モデル以外の仕事もある」(・・・フォローになっていない)
「呉服屋は、京都西陣・・・父の本家」(え?初耳)
春奈さんは、満面の笑顔に変わった。
「京都まで行くの?」
祐君は、頷いた。
「もう少し、原稿が仕上がった段階で、行きたいなあと」
「衣装合わせの連絡は取ってあるよ」
「愛奈とは、その時点で連絡」(愛奈、の名前呼びが、妬ける)
祐君が、話の方向を変えた。
「もちろん、他の、例えば、男子高生とか、ビジネスマン、OLとか、年金世代とか、考えないと」
「そういうモデルも、考えないと、現代から未来に生きる古今和歌集にならない」
「それを、どうするか・・・」
春奈さんは、我に返った。(女子高生姿を拒否られて、落ち込んでいたけれど、立ち直った)
「出版社にも相談する?」
祐君
「モデルクラブかな、そういう場合」
「ますます、コストかかる」
「相談した方がいいね」
純子さんは笑顔。
「でも、形になって来たようで、うれしいよね」
真由美さんも、笑顔。
「これも、祐君のおかげ」
私も、うれしいので、全員に頭を下げた。
「ありがとうございます、こんな私をお仲間にしてくれて」
祐君は、やさしい笑顔。
女子全員は、「がんばろうね」と、笑顔でクールサインを贈ってくれた。
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