第224話朱里に実家から荷物が届いて・・・
私、田中朱里と、祐君、純子さんは駅の近くで、ケーキも豊富なカフェに入った。(だんだん、スンナリとご一緒できるようにになった)(私も、成長した)(ますます、祐君が愛しい)
祐君(下を向いて、たどたどしい・・・なんか、つんつんしたくなる)
「少し温かいのが食べたいので、パンケーキにします」
ちなみに私はプリンアラモード、純子さんはフルーツパフェ。全員が珈琲も頼む。
祐君は、珈琲を飲みながら、スマホを見ている。
「ジュリアンが気にしている」
「また、一緒にって」
「わかりました、と返した」
純子さん
「聞きたい、祐君」
私も頷く。
「祐君、大丈夫だよ」
祐君は、にっこり。
「大丈夫、めげていないから」
純子さん
「やはり、秋山先生の講演が重かったの?」
祐君は素直に頷く。
「それはそう、だって文化勲章受章者、皇室にも出入りされる先生の講演原稿」
「重いどころか、岩盤だった」
「断りづらかったし」
私
「その上、あちこちから」
祐君は苦笑。
「出来ることは、やるよ」
「でも、弱音を吐く時もあります」
純子さん
「もっと弱音を吐いてもいいよ、抱え込み過ぎと思う時がある」
私も同感だった。
「身体を壊してまでは、誰も望んでいないよ」
祐君は、素直に頷いていた。
そんなカフェでのひと時を過ごし、祐君(純子さんとも)駅で別れた。(逆方向なのが辛い)
笹塚のアパートに帰って、少しすると、宅配便。
大きな段ボール、実家からだった。
開けてみて、驚いた。
名古屋銘菓の詰め合わせだった。
「海老煎餅」(定番過ぎ!好きだけど)
「ういろう詰め合わせ」(うーん・・・若い子向けでない・・・)
「芋けんぴ」(マジ?これは、お年寄りの趣味だって!)
「しるこチーズタルト」(名古屋では、チョコレートより餡子優先か)
他にも食材があった。
「味噌煮込みうどん」(名古屋らしいなあ・・・でも、祐君は食べきれないかな、味が濃い)
「手羽先」(これも、お上品な祐君には、合わないかも)
呆れたのが
「守口漬け」(守口大根を使って、塩漬・酒粕漬を2度行い、最後に仕上漬をして完成)(これは・・・朝ご飯が苦手な祐君には・・・無理)
あまりのことに、私は母愛子に電話した。
「あのさ・・・ありがたいけれど、多過ぎ」
「祐君は、本当に小食なの」
「特に、朝は、無理みたい」
母愛子は、上機嫌。
「いいの、男の子でしょ?」
「食べ過ぎぐらいに食べさせてあげて」
「いろいろ、才能を持った子でしょ?」
私も報告した。
「ピアノも、すごかった」
「あの中村雅代先生のお弟子さんらしい」
「本人は趣味限定とも」
母愛子の声が震えた。
「えーーー?雅代さん?」
「あの人、実家は名古屋だよ!」
「おばあ様とも遠縁なの、結婚式にも出たとか」
母愛子は、興奮のあまり、「ねえ、お母様!」と騒いでいる。
(確かに名古屋は中村姓が多い、おばあ様の旧姓も中村だった)
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