第031話「独裁者、風邪を引く」

 ある強権独裁者が病に倒れ意識不明に陥った。

 医師が呼ばれ診察する。


「具合はひどいがただの風邪です。点滴と投薬をし適切に看護すれば問題は無」


 側近がいう。


「君、見立てを間違えるな。これは重病だ。彼が助からなくても君の責任は問わない」


 翌々日、聞き慣れない病名での独裁者の死亡記事が出た。

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