2大神に侵食されし少年の道標
ゆずどりんこ
第1話 2大神の魂を持つ少年
この世界には聖王国と魔界帝国の2つの国が存在する。
聖王国は聖神と呼ばれる神を崇め奉り、魔界帝国は魔神と呼ばれる神を崇め奉り、その歴史は数千年と長い。
遠い過去に聖王国に存在した1人の少年に聖神の魂が宿った事で聖王国という国が建国された。
聖神の魂を最初に宿した聖王国初代聖王誕生から現在に至るまでその血を絶やさず繋げてきた。
魔界帝国も聖王国建国と同時期に魔神の魂を宿した少年が突如現れ、敵国である聖王国に対抗する為に魔神の魂を宿した少年を魔界帝国の初代魔神王になり、その血を絶やさず繋げ、過去から現在まで各地で戦火の火種を振り撒いていた。
そして現在、聖王暦1520年。
ある1人の少年がこの世に誕生した。
その名はリューグ。
リューグ・アルベスタ。
緑溢れる小さな村で農業が盛んに行われているごくごく普通の村。
特産品は穀物で、各地の街や村、聖王国に生産された穀物等を輸出している。
リューグが生まれた時は普通の容姿をした赤子。
特に違和感のない世間一般な人間であった。
しかし、順調に成長していく過程である異変が起こった。
それは右眼と左眼に顕著に現れたのだ。
右眼は透き通るぐらい綺麗な蒼色で曇りのない光を放ち、そして反対側の左眼には右眼とは正反対の赤黒い禍々しい光を放っていた。
『な、なんだこれは…』
『何かの病気!?』
リューグの父親と母親は血を分けたただ1人の愛息子を病気ではないかと心配し、村にある病院へと慌てて連れて行く。
しかし、そこでは病気という診断は下されず、原因不明との診断が医師の口から下された。
『原因は不明ですが、心身ともに健康です。なので、特に心配はいらないでしょう。また何かあれば来てください』
その一言を告げられ、健康であるという事に変わりはないと分かり、納得出来ない部分はあるがその日はそのままリューグを連れ帰宅した。
そして、数年が経過したある日。
リューグの運命という歯車がゆっくりと回り始めた。
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