第133話 おなら

『ボン寿ール』


遅い昼下がり。おフランス帰りではないが、学生時代に仏語を履修した南山之寿。唯一と言っても過言ではないかと感じるが、記憶している言葉の一つ。こっそり南山之寿が紛れ込む奇跡。


『ルルドの泉』


フランス繋がりで、南山之寿が調べて名を知った泉。泉と言えば、雑学を披露するトリビア。『へぇ』の呟きを求めて、流浪の旅に出る南山之寿。片手には、懐かしきるるぶ。道に迷う、目当ての料理は食べれないなど、怒りでブルブル震える南山之寿もご愛嬌。


本日の対戦相手は、おなら。フランスからのおなら。何の脈絡も無い展開。オチは『さよおなら』と相場が決まっているワード。信じるか信じないかは、貴方次第。


『おならと屁』


所謂、飲み込んだ空気や腸内で発生したガスが排出されたもの。厳密には『おなら』と『屁』には違いが存在。 おならは、「お鳴らし」が略されてできた女房言葉。音が鳴るのが『おなら』。音が鳴らないのが『屁』。もちろん、この雑学を聞いた時に『へぇー』と唸った南山之寿。


予備校に通っていた頃の南山之寿。自習室で尋常ならざるガスの充満感を訴えてくる腹部。自習室で万が一おならをしようものなら、恥ずかしさのあまり気絶。腹部に刺激を与えぬ様に歩き、エレベーターで外へ。エントランスが見え、その先に広がる安全圏を見た時に油断した南山之寿。


『パァッッッッン!!!』


凄まじい破裂音。エントランスにいた人が一斉に辺りをキョロキョロ。南山之寿もキョロキョロ。何かが破裂したとザワつくエントランス。後ろを振り返らず、しれっと脱出する南山之寿。


唯一の救いは、臭いがなかったこと。バレていないと今でも信じている南山之寿。


『Au revoir』


予定調和の落ちを皆様に。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る