第3話

彼女が会社に復帰して1ヶ月くらい経った頃。話しかけたいが特に用事もないので接点がなかったのだが、社員用玄関口での出来事だった。先に彼女が靴を履き替えてドアを開ける手前で、ちらっとこっちを振り返った気がした。私も後を追って外へ出た。また彼女がチラッとこちらを振り返り見た。

思わず後ろから声を掛けた。

「木崎ちゃん、乗ってく?」

「いいんですか?」



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