2話 「えっ? もしかしてワ〇ピ?」

「人間どもをぶっ潰せええええええ!!!!!!!」

「うおおおお!!! オーク共を根絶やしにしろおおおおおお!!!!!!!」


 俺はいま高台からオークと人間の戦争を眺めている。

 どうしてこうなったかって?

 知らねえよ!

 こっちが聞きたいわ!

 あのバカ女神からの手紙を読んで頭が痛くなって、そのまま気絶して目が覚めたらこれだよ。


 何があったんだよ。


 気絶していた時間は30分くらいらしい。

 さっき、そこにいたオークに聞いた。

 てか、こいつら見分けつかないんだけど!

 みんな同じ顔だもん!

 他のオークたちは、どうやって見分けてるの⁉


 すると、一匹のオークが話しかけてきた。


「レン様、こちらの戦況が不利になってきました。どうか、レン様にご出陣して頂き、憎き人間どもを返り討ちにしてはくれませんか?」


 お前、キラキラした目でなんちゅうこと言ってんだよ。

 俺、元人間だし嫌だよ。

 そんなことをしたら殺戮者どころじゃないよ。

 オークってこの世界の最強種じゃねえのかよ!

 てか、あんな人数はさすがの究極オークでも無理でしょ。

 いくら何でも、明らかに多すぎるよ。

 とりあえず、人数を把握しよう。


「敵の数はどれくらい?」

「はっ! 敵の総数は5万と聞いております!」


 ごごごごごごg5万⁉⁉

 むりむりむりむりむりむりむり

 いくら何でも無理っすよ……

 なんで俺が気絶してた30分でそんな本格的な戦争が起きてんだよ!!!!!!!

 どいうことだよ!!!!!


「レン様、どうか我々オークを助けてください。中には家族を残し、戦場にいった者もおります。どうか、お力添えを……!」


 そうだよな……

 オークだからって関係ない。

 こいつ等にだって守るべき家族がいる。

 たく、それは卑怯だろ……


「わかった、行こう!」



「おい! まだ、レン様は来ないのか⁉」

「もうすぐだ! あのお方は俺らオークを絶対助けに来てくれる!」


 すると、ブオーーーとほら貝の音がした。

 みなが音の方に注目するとレンが戦場のど真ん中に飛んできた。

「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」


 オークたちはレンの援軍に士気が最高潮に高まった。


 レンが剣を抜き、人間たちに向けた。


「この戦争を終わらせにきた!」


 レンのセリフを聞いたオークたちは歓喜に満ちていた。


 くううううう!

 決まったよ!

 完璧に決まった!!

 まさか、このセリフが言えるタイミングがあるなんて!!

 続きも言っちゃおっかな……


 レンは軽く咳ばらいをし、注目を集める。


「まだ、暴れたりない奴がい…………」

 名台詞を言いかけているレンに人間たちが一斉に攻撃してきた。


 ちょっ! 待てよ!

 そこは待てよ!

 あと、ちょっとなんだから。

 こいつ等、俺の名言を!

 そんなこと考えてる場合じゃない⁉

 死んじゃう死んじゃう!!!!!!!!!!!!!!


「うわああああああ」

 あまりの恐怖にうずくまり泣き叫ぶ。


 ………………?

 あれ?

 痛くない?

 えっ?


 恐る恐る目を開けて確認をする。

 なんとあまりの雄たけびに人間もオークもまとめて全員気絶していた。


 えっ?

 なに、どういうこと?

 俺以外、みんな倒れてんじゃん。

 覇○色やん。

 すげえ!

 もう異世界じゃなくてワ○ピじゃん!

 なっちゃう?

 俺、なっちゃうよ?

 海賊王に!!


「貴様がこれをやったのか?」

 調子に乗っているレンの前に人間の男が現れた。

 ビクッと驚くが平然を装う。

「貴様、ただのオークじゃないな。」

 レンはドヤ顔をし、「そうだ、俺は究極オークだ!」

「ほう、あの伝説のオークに出会えるとはな……ここで倒しておかなければな!」


 くそっ!

 やっぱ、戦わなきゃダメか?

 もう戦争終わったようなもんなのに!

 でも、あいつの言葉から察するに究極オークってやっぱすげえのか?

 あの伝説とか言っているし。

 まあ、現に覇○色でたし。

 5万の兵士倒せたし。

 あれ?

 俺、もしかしていける?

 よっしゃ!

 軽くひねってやるか!


「こい、相手してやる。」

 声を低くし強者感を出す。


「私の名前はソロ、三刀流の使い手だ。貴様らオークにも名はあるだろ、名乗れ。」

「ふっ、俺の名はレンだ。」



 ん?

 今コイツなんて言った?

 ソロって三刀流ってワ○ピじゃん!

 完全にゾ○じゃん!

 刀、三はゾ○だよ!

 よく見たらコイツ腹巻してんじゃん

 ダメだよ。

 さすがにこれ以上は怒られる。

 もうかばえないからな。

 おいおいおい、刀咥えんな。

 やめろ。

 俺が悪かったからやめてくれ!

 なんか、怒られる気がするんだよ!!


「ふあ、ふぁふぁってけなさい!」


 えっ?

 なんて?

 ふぁしか聞こえなかったよ。

 刀咥えんのやめろ。

 取れ! 刀を!


「ふぁやく、くいなさい」


 食う?

 なに?

 だから、刀取れって!


「ふないあら、ふぃくぞ!」

「さんとうry………」


「言わせねえよ!!⁇」


 初めてこの世界で力を使ったレンの拳は凄まじかった。


「あぶねえ…なんで技名だけ饒舌になんだよ。」


 てか、すごい威力だな。

 なんか、怖くなってきた……

 とりあえず、究極オークのすごさは分かった。

 あの爆乳は間違ってなかったのかもな…



 その後は人間の軍は俺に恐れをなし、撤退していった。

「レン様、此度の勝利はレン様なくては語れません!」

「いや、いいって気にしないでくれ。それより、どれくらいの死者がでたんだ?」

「はっ! 死者は0です!」

「そうか! それはよかった!」


 あれ?

 今コイツなんて言った?

 0って言ったよな?

 刀は……うん、咥えてないね。


「家族を残して死んだみたいに言ってなかったけ?」

「何をおっしゃいますか! 我らがオークは瀕死にはなりますが少し寝れば傷は自然と癒えまする。」


 あっそう…

 ま、お前らが無事ならそれでいいわ。

 そういえば、このオーク。

 俺の傍にいるこいつだけは覚えたな……


「お前、名前はなんていうの?」

「はっ! わたくしの名前はモ○キー・D・ル○ィーです。」

「ん? なんだって?」

「はっ! わたくしの名前はモンki………」

「だから!! ワ○ピじゃねえんだよ!!!!!」


 なんだよ、そのミラクル!

 いらねえよ!

 もう、いいよ。

 ワ〇ピネタは!

 異世界だっつてんだろうが!

 オークにそんな名前つけんな!

 ワ○ピワ〇ピ言わせんな!

 もう!

 ツッコミ疲れてんだよ! こっちは!!


「レン様、をお持ちしました!」


 果物って……

 おい。

 まさか……

 やめてくれ。

 もう無理だよ。

 俺のライフは、もうゼr…

「バナナです!」


 レンは無言でバナナを食った。


 


 よかった……


 でも、そこはゴ〇ゴ〇の実を持ってくんだよ!!!!!!!


 


 バナナを食うレンを嬉しそうにみるオークたちに笑顔で返す。






 第二話も読んでいただきありがとうございます。






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