第十九話  倉庫探索


 僕たち同じ部屋の三人は解散と言われてすぐに部屋に入った。

 部屋の中はそんなに広くなく、三人で住むにはちょうどいい感じだ。

 同じ部屋なんだったら大人の三人部屋は狭く感じるかもしれない。

 

 部屋の中には大きな本棚と三つのベッドがある。だがそれしか家具はない。


「あ、言い忘れてたけど倉庫の中に何種類か家具があるから必要だったらそこから取ってくれ。」


 と、扉の向こう側から聞こえてくる。


 ベッドとベッドの距離は遠く離れておりこの中でも部屋割りみたいなことをすればいいわけだ。


「俺ここでいいか?」


 ライアンは扉の左側のベッドを選んだ。本棚とは遠く離れているが扉と近くて出入りが楽そうだ。


「僕は余ったやつでいいから先に選んで。」


 オッドくんが譲ってくれる。

 特にどこを選んだらどうなるとかないし僕もそんなにこだわりはない。本棚から次に遠いやつでいいか。


「じゃあここにしよっかな。」


「ってことはここだね。」


 ことなくして僕たちのベッド決めは終わった。

 倉庫に家具があるとのことだったから見に行くか。


「僕は家具を見に行くけどみんなどうする?」


 一緒に来てくれたら運ぶの楽なんだけど……。


「ま、着いてってやるか。」

「うん。みんなで行こ。」


 意外と来てくれた。オッドくんは来てくれそうだと思ってたけどライアンも来てくれるのは意外だった。


 

 僕たちは倉庫に向かった。

 倉庫には誰もいなかった。

 

 倉庫の中は真ん中に物がいっぱいあってその周りをぐるっと回れる構造になっていた。


 倉庫の中には聞いてた通り食べ物や戦闘に使うもの、家具があった。他には多分サザナミ用のご飯とかスコップとか雪かき用のシャベルなどたくさんの物がある。


「そんなに多くは持っていけないよね。何もって行こっか。」


「ねぇねぇ、何これ。」


 オッドが僕とライアンに尋ねる。

 指差していたのは白くオッドくんぐらいの高さの冷蔵庫。これを知らない……?子供だからそんなこともあるのか?


「なんだ知らないのか?これは冷蔵庫だな。食べ物とか入れておけば冷やして保存できるんだよ。」


「へー。じゃあいらないか。」


 そう聞くとオッドくんは興味を無くしたように他のものを漁り始める。


「まぁ……いいか。」


「そういや、本棚があったけどどこかで本借りれるのかな。後で町を見てみようよ。」


「うんそうだね。オッドくんは本好きなの?」


「うーん、読んだことはないけど興味はある!」


「そっか、行こうね。」


各々、見ているとオッドくんが対岸にいる時にライアンが僕に小声で


「なぁ、オッドなんかおかしくねぇか?」


 と囁いてくる。


「ん、そう?まぁ貧乏だったそうだし……あんまりおかしいっていうのは良くないんじゃない?」


「まぁ、それもそうか。わりぃ。変なこと聞いた。」


 そういってライアンは僕と少し距離をとって何もなかったように振る舞う。ライアンはああ言ったもののオッドくんのことを気にかけているようだ。

 そんなにおかしいことかなぁ。子供だし……。


 しばらく見て僕はちょっとしたクッションと小さなランプ。みんなには確認をとって部屋に敷く大きなカーペットを持っていくことにした。

 オッドくんは一人が座れるような木製の椅子だけ。

 ライアンはあまり刺さらなかったのか手ぶらで帰るようだ。


 階段を登る最中にラヴァ達とすれ違う。彼らも倉庫に行くようだ。


 

 部屋に着いて持ってきたものを置いていると、


「まだ時間もあるし少し外に出るか。」


 と、ライアンが呼ぶ。

 僕たちは「うん、そうしよ。」と賛成して少し身支度をした。

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